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急激な血圧の上昇を感じることはありませんか?
普段から血圧が高めの人が車の運転をしている時、もし後ろから煽られたりすると急激に血圧が上がったのを自覚することがあります。
また、めっちゃ腹立つことがあって怒り心頭という時にも血圧が急激に上がっているのを自覚することもあります。
急激に血圧が上がると腰部から背部にかけて血管が圧迫されたような鈍痛を感じることもあります。
このままでは、脳卒中になるのではと心配になるほど高血圧を自覚することはありませんか?
また、白衣血圧といって先生が血圧をはかると家で測るより高くなります。これも精神的な緊張で一時的に血圧が上がっているのです。
そんな時、一時的ではありますが血圧を下げる方法があります。
急いで血圧を下げる方法
1、眼球を圧迫する。
1、急激に血圧が下がって倒れたりすることがないようにまずはソファーなどに腰かけます。
2、人によって反応の程度は様々ですので、まずは片方の目からまぶたを閉じてから指の2本を使って(中指と薬指)軽く眼球を圧迫します。
3、1~2分間、揉むのではなくゆっくりと静かに押さえる感じです。
4、あまり効果が感じられなければ、両眼で試してみましょう。
自宅で何度か試してみて自分なりの程度とか効果を習得してください。
刺激の程度がわかっていれば外出先で緊急的な血圧上昇などに使えます。
眼心臓反射とかアシュネル反射と呼ばれる生体の反射作用の一種で、目の奥にある三叉神経を介して迷走神経を刺激します。
迷走神経は副交感神経ですので優位になると心拍数を下げ血圧も下がってくるのです。
もともとは自律神経の機能検査の一つなのですが、スポーツ選手では試技前の緊張を取るためにこの方法を取り入れたりするといいます。
2、首の「のどぼとけ」の横を押さえる。
くびの「のどぼとけ」のすぐ両横指で押さえるとドクドクと脈を打っている箇所があります。
鍼灸ではこの場所を「人迎」と言うツボになります。人迎は高血圧によく聞くツボとされ特に針治療が効果的だと言われています。
実は左右の頸動脈が甲状軟骨「のどぼとけ」の上縁の高さで外頸動脈と内頚動脈に分かれる場所で内頚動脈のつけねに少し血管がふくれている場所があります。
このふくれたところを頸動脈洞といってここには圧受容体があり、ここを圧迫することによって舌咽神経を介してやはり迷走神経に伝わり反射として脈拍が少なくなり血圧が下がります。
総合格闘技などの俗にいう「落ちる」というのはチョーク技で頸動脈洞を過度に圧迫することにより頸動脈反射を起こし脳に行く血液を少なくし失神状態にすることなのです。
ですから、血圧を下げる治療目的の場合は軽くと状態をみながら人迎を圧迫する必要があります。
貧血の様な頭がくらくらするような状態が少しでもみられたらすぐ中止してください。
最初は「人迎」周辺を軽くマッサージするような感じで押さえて行って自分の感じをつかんでください。
できれば血圧計を用意して血圧を測りながら自分に最適な刺激量をみつけて覚えておくと緊急の時に役立つかもしれません。
3、深呼吸で息を長く吐く
肺にある受容体は息を吸う時は副交感神経を弱くし、また息を吐く時には副交感神経を優位にします。
したがってゆっくりと深呼吸して特に吸う時は早く吐く時はゆっくりと長く吐く呼吸をすれば一時的に心拍数は下がり血圧も下がります。
病院で先生が血圧を測る時「ゆっくり深呼吸しなさい」とポンプを握る前に言うのは少しでも白衣血圧の影響をなくすためなのです。
また深呼吸は高ぶった心を落ち着ける効果もありますので最も簡単に血圧を下げられる有効な方法でしょう。
他人に対しては行わないのが鉄則
これらは興奮時に生体の反射を利用して一時的に血圧を下げるテクニックです。これらで高血圧が治るわけではありません。高血圧は適切な治療をしてください。
しかし先に述べたように一時的に極度の興奮で極端に血圧が上がった場合などには有効です。
また、眼球圧迫反射などは眼科の手術中に誤って神経を刺激し、心停止を起こした例があるほどです。
これらのテクニックを使う際はじゅうぶんに自分で刺激程度を程度を学習し慎重に使ってください。
また決して他人に対しては行わないようにしてください。
人の感受性は千差万別で自分の最適な刺激量は他人には通用しないことが多いからです。