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業務用エアコンは、単相200Vと三相200V(動力)どちらが得か。

更新日:

2020年1月18日 additionalwriting

この記事の目次

単相200Vエアコンは3馬力が上限

一昨年喫茶店を開業しました。

スケルトンからの内装工事です。

喫茶店は約38㎡の広さ19席ほどのこじんまりとした喫茶店です。

電気工事の人の話ではエアコンは4馬力必要だという事です。

設計当初、三相200Vにするかこのまま電灯電源で200Vのエアコンにするのかずいぶん迷っていました。

まず大事なことですが単相200Vのエアコンは3馬力までが上限という事です。

 4馬力なら2馬力×2にするべき

たとえ三相200Vエアコンしたとしても4馬力1台というのはリスクが大きいと思います。

4馬力なら2馬力を2台にするべきです。

つまり複数台の方が絶対に後々有利になってきます。

短期的に見れば本体価格は約1.5倍ほどになりますが将来故障した時、1台だけだと修理の間休業を余儀なくされます

2台あると1台で何とか営業は続けられます。

また、期間に余裕をもって修理できるので修理業者に足元を見られることもないでしょう。

エアコンによっては1室外機で室内機が2台のツインというタイプもありますが故障するのは大体室外機の方なので

これもリスクがあると思われます。

また、室温というのは室内の空気の温度と思われがちですが実は壁や天井、床の温度なのです。

ですからエアコン起動時に大き目の馬力で室内を冷やせば後は、少ない能力で十分温度を維持できます。

つまり最初は2台で冷暖房をして目的の温度に達したら、1台で維持運転をすることで十分なのです。

4馬力1台より2馬力×2の方が電気代も抑えられます。

 エアコン本体価格は単相も三相もほぼ同じ

エアコンは天カセ4方向と呼ばれる一般的なタイプを選びました。

調べたところ価格は同じ馬力であればエアコン価格は三相も単相もほぼ同じようです。

工務店で見積もってもらうとネット販売(工事付き)よりずいぶん高額になっていました。

この解決のことはまた別の記事で書かせていただきます。

単相200Vか三相200Vかは工事ぎりぎりまで調べながら悩みました。

 初期費用の差は?

取り付け工事自体に費用の差は変わらないようですが。三相200Vエアコンは動力電源を必要とします。

私は自宅を建てる時に将来1階部分を喫茶店にするためにスケルトンにしていたのですが建築時は動力電源は必要ないので動力電源は引いていませんでした。

ですから新たに三相200Vを引き込むことになります。

一般に新たに三相200V電源を新た引き込むことになるとケースにもよりますが届け出代行料などを含めて10万円程度の出費が必要になります。

取り付け場所など状態によっては20万円近く請求された例もあるそうです。

また、単相200Vの場合は単相3線式という方法がとられますが最近ではほとんどの家庭に来ています。

分電盤から引っ張るだけの屋内工事で簡単に済みますので費用も少額で済みます。

 電気代の差は?

単相は基本料金が安く従量料金が高い設定になっています

三相は基本料金が高く従量料金が安く設定されています。

ですから、多く使えば使うほど三相200Vの方がメリットが大きいと言えます。

しかし逆に単相200Vの方が安くなる使用量もあります。

どのくらいの使用量でメリットが逆転するのか検証したいと思います。



基本料金

単相200V

従来の従量電灯Bの基本料金で自宅と併用で単相200Vも引いていましたので新たに基本料金の増加はありません。ただし、単層200Vの最大電流は15Aほどになりますので2台つけるとなると

30アンペアの容量が必要になります。現在の契約に余裕がなければ契約アンペアを増やさなければなりません。従量電灯AまたはBで仮に30アンペア(3kVA)増やしたとすれば約1000円の基本料金のアップとなります。

ですから、単層200Vエアコンを導入したときの基本料金を1000円としておきます。

 

三相200V(動力)

家庭用とは別に新たに基本料金が発生します。

広さから4馬力のエアコンが必要だという事でエアコンメーカーに問い合わせて低圧電力契約容量は4kwと見積もりました。

ここの電力会社は1kwあたり1096円ですので4384円

つまり基本料金は4384円です。

従量料金

単相200Vは従量電灯Bの料金になりますので25円/kWh

三相200V(動力)15.5円/Kwh

ですからその差はKwhあたり9.5円です。

基本料金の差が4384円1000円ですので3384円

基本料金の差を1kWh当たりの料金で割ってみます。

3384÷9.5=約356

つまり月に356Kwh以上使えば基本料金の差を覆し三相200Vがメリットがあるという事です。

2馬力エアコンの消費電力は冷房、暖房、起動直後、運転中、設定温度、部屋の構造、地域など様々な要因があるので一概に計算できません。

2馬力の消費電力は暖房、冷房を通して最大で約2kWh、最小で約0.3Kwhになります。上記のようにいろいろなファクターが関係しますので仮にということで計算します。

2馬力の消費電力を仮に1台1kWhとします。2台なので2kWhとします。

1日10時間の稼働と考えると20kWh/日

ひと月の営業日は25日として

20kwh×25日=500kwh

だいたい月500kwhの使用量となります。

500kwh-461kwh=39kwh

1kwhあたり三相200Vが9.5円安いので

9.5円×39kwh=370.5円

つまり、ひと月当たり三相200Vにした方が370円安くなるわけです。

一見 三相200V(動力)の方が得なように思われますね。

三相200V(動力)は使わなくても基本料金が発生する。

エアコンを全く使わない月は春と秋のほぼ4か月ほどではないかと思います。

実は三相200V電源は使わない月でも基本料金がかかります。

ブレーカーを切れば基本料金は半額になる

しかし、実際は使用量が全くのゼロならば基本料金は半額になります。

エアコンは使用しなくても待機電力が流れています。リモコンの受光部などです。

エアコンに電源がつながっていればたとえ少しでも使用したことになり基本料金は全額請求されます。

半額にするためには検針日を知り、検針以降ブレーカーを切らなくてはなりません。

しかし、都合よく検針日でエアコンが要らなくなるなんていうことはないでしょう。

おそらく運よくブレーカーが落とせても年に2回ぐらいでしょう。

それでも金額にすると年間4か月エアコンを使わなかったとしてそのうち2回はうまく検針日にブレーカーが落とせたとします。

4384円×2+4384円×2×半額=13152円

月、370円安くても基本料金で13152円取られては8712円赤字ですおまけに三相200V電源工事費用も忘れてはいけません。

 

 4馬力程 度のエアコンなら単相200Vの方がいい

計算結果、4馬力程度のエアコンであれば単相200Vエアコンの方がコストが安いことがわかります。

というわけで私の喫茶店ではダイキンの単相200V天カセを2台取り付けました。

喫茶店開業二年になりますが快調に動いてくれています。

そもそも喫茶店自体禁煙にしておりますのでエアコンのメンテナンスも簡単で、変な臭いもしません。

実際稼働してみて、エアコン業者推奨するの広さと業種により4馬力を設置したわけですが、やはり、2馬力×2の設置は大正解でした。

真夏の最高に暑い時でも2台で室温を下げておけば後は1台で十分温度が維持できます。

冬場も同じことです。

 三相200V(動力)の方がコストが安くなるかもしれない要因

かといって、すべての場合で単相200Vが割安ではありません。

次のような場合には動力電源を検討することになります。

1、必要な馬力が大きい場合、つまり広い場所に取り付ける場合。

2、動力電源をエアコンだけでなくその他の電化製品にも使う場合(食洗器、IH調理器、ポンプモーター、冷蔵庫等)

3、24時間営業など長時間にわたって使用する場合

それぞれの環境を十分考慮して最終判断シてください。

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