カフェ経営のこと

カフェのコーヒーの淹れ方(カフェを始める方へ)

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客はコーヒーの本当の味が分かるのか

本当のコーヒーの味が分かるお客さんがどのぐらいいるでしょうか?

以前テレビのドッキリ番組で、グルメを標榜し自分でも調理する梅宮辰夫さんに超一流レストランのシェフが料理したと偽って冷凍食品をそれらしくお皿に盛って出したところ「さすが一流シェフ」と言ってべた褒めして食べていました。

また格付けチェックという番組で一流のバリスタが淹れたコーヒーと喫茶店のアルバイトが淹れたコーヒーを見分けられたのはほぼ2人に1人、50%とという数字は偶然の確率と同じです。

私もカフェをやる身ながら、今まで一番おいしいと思ったコーヒーは学生時代初めてスターバックスで飲んだコーヒーでした。

確かに、豆の種類や挽き方による酸味や独特の癖などは見分けられます。

しかしそれが美味しさかというとまた別物です。

個人の好みの範疇に入るかもしれません。

よく、お客様で「コーヒー、アメリカンで」でと注文される方がおられます。

アメリカンコーヒーとは本来、浅く焙煎した豆を多めのお湯で淹れて豆本来の香りと酸味を楽しむものでコーヒーをお湯で薄めたものではありません。

またアメリカンコーヒーは砂糖やミルクを入れずに飲むものです。しかしいつしかアメリカンコーヒーは薄いコーヒーという意味になり、苦みの苦手な人向けのコーヒーになってしまいました。

実際、殆どのカフェではアメリカンを注文されるとコーヒー豆を少なくするかをお湯で薄めて出しているところが殆どでしょう。

美味しいコーヒーを淹れるにはある程度の知識は必要です。

私もカフェをやる前にはコーヒーの卸業者さんに通ってコーヒーの淹れ方の特訓を受けたものでした。

ところがいざ開業となると、メニューの関係でとてもじゃないけれど手淹れなどする時間はありません。

スタイリッシュなエプロンを付けた気取ったマスターがカウンターで一人一人にドリップするCMなどで見る光景はコーヒー専門店の事です。

そういうお店は他のメニューはあってもトーストとかコーヒーの派生メニューです。

しかし経費率はそれが一番低くて失敗しない経営手段です。

家賃や人件費などの毎月の運転資金が少なくお客さんもそこそこ来れば結構利益が上げられると思います。

マシンで淹れてもお客様は「ここのコーヒーはおいしい」と言ってくれる

正直うちのカフェは全て珈琲マシンで淹れています。モーニングサービスで出すコーヒーやタイムランチで食後のコーヒーもすべてマシンで淹れています。

それなのに、ここの美味しいコーヒーを飲みに来ましたと言ってくださるお客様もいらっしゃいます。

手淹れのコーヒーとマシンが淹れたコーヒーが区別できなくても不味いコーヒーが分かる方は大勢いらっしゃいます。

では不味いコーヒーとはどんなコーヒーでしょうか?

コーヒーは絶対に作り置きしない

どんな美味しい天ぷらでも翌日食べれば美味しさはかなり薄くなっていることでしょう。

要は淹れたてがおいしいコーヒーの最優先の条件なのです。

手淹れするカフェでも毎朝大量に淹れて作り置きし、それを注文が通れば鍋で温めて出しているところもあります。

最悪なのは保温サーバーでずっと保温しておき、そこから注いで出す店もあります。

モーニングサービスは朝だからまだしもランチタイムについてくるコーヒーが煮詰まって苦く感じるのはおそらく朝淹れたものでしょう。

ランチタイムのコーヒーはサービスで付けているのだからという店側の高慢な態度です。

私の店では豆を挽くのはさすがに朝、昼と2回ですが真空容器に入れ取り出すたびに空気を抜いています。

そしてモーニングサービスであろうがタイムランチにつくコーヒーであろうが全てそのたびに個別にマシンで淹れます。

やはりコーヒーは淹れたてが一番おいしいのです。

マシンはカリタの最新式です。もっとも手淹れに近いドリップという業者さんのふれこみです。

手淹れのメリットは蒸らしにあります。

お湯の注ぎ方と蒸らしでおいしいコーヒーが淹れられます。

しかし、何十年も修行するような技ではありません。

寿司屋の修行は「飯炊3年、合わせ5年、握り一生」と昔から言われたものでしたが実際は寿司職人が新入りに自分の技を教え渋るからであって教育機関を作れば数週間もあればひと通り学べます。

実際、回転ずしチェーンでは自社の養成施設で2ヶ月ほどの研修後、実務につけます。

カフェは、その店のコンセプトによりコーヒーの淹れ方が変わってくるのは仕方のないことです。

ただ、分量が正確でと浄水された水であればたとえマシンで淹れても淹れたてのコーヒーが不味いわけがありません。

その日の気圧や気温、湿度を考慮して長年の経験からその日の最適な淹れ方をしたってその味の差をわかる人などそうそういません。

コーヒー好きを自称し、豆の産地が飲んで分かり、自分好みのコーヒーにこだわる絶対味覚の持ち主の方なども実際におられるでことでしょう。

そういう方は違うコンセプトの店にやって来てあれこれ文句を言わずに自分に合ったコンセプトのお店に行くか自分で淹れてください。

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