オゾンはデルタ株にも有効!
真偽のほどはわかりかねますが、8月に入りデパートの地下食料品売り場などの密閉空間での感染例が増加しています。
今時ですからマスクをしていない人はほとんどおられないように思われます。
特に従業員となるとマスクは必須でしょう。
それでも感染する。
もはや飛沫を吸い込まなくても感染するのがデルタ株です。
もはや新型コロナウイルスはエアロゾル感染を通り越しては空気感染するという研究者も多くいます。
接触感染ということでは地下食品売り場で感染が多発するということの説明がつきません。
やはり密閉空間にはウイルスを含んだ微細なエアロゾルが漂っていると言わざるを得ません。
感染を防ぐには換気が最も重要だといえます。
とはいえ、建物の構造上換気のできないスペースもあります。
そこで空間除菌という手段が有効になってくるのですが、手軽で比較的安全な方法がオゾン発生器による除菌です。
オゾンによるコロナウイルスに対する有効性は以下のような研究発表があります。
安価なものから高額商品まで
アマゾン等でオゾン発生器と検索してみると2000円程度のものから数万円の物まで幅広い価格帯が用意されています。
オゾン自体は人体に有害であり、人がいる空間の除菌には濃度を微妙に調節して人体に影響がなく空間除菌できる性能のものが必要です。
そうなるとやはり高額な商品になってしまうのですが、例えば人にいないところを除菌する場合。
つまりクローゼットの中で外出着や仕事用ユニフォームなどについたウイルスの除菌に使う場合は結構な高濃度でも差し支えありません。
つまり使う場所によって、商品を使い分けるとコストも削減できます。
安価なものはほとんど中国製
例えばマスクの消毒などには医療機関でもオゾン発生器を使っています。
オゾンの発生の原理は比較的簡単な仕組みで、高額なオゾン発生器でもそれほど複雑なメカではないようです。
また、数千円の安価なものを調べてみるとほとんどが中国製です。
というか日本製のものは見当たりません。
安価なものでも一応は人体に対する毒性の対策をしているようですが高額製品のような微妙な調整ではなく、比較的濃度の高いオゾンを間欠的に放出して人体への影響を最小限にするものが多いようです。
また人体の赤外線を感知するとオゾンの放出を止めるようなシステムのものも見受けられます。
中国製は寿命が短いというレビューが多い
中国製に言えることはとにかく作りが雑ということです。アマゾンのレビューを見てみても数週間でオゾン臭がしなくなったというクレームが散見されます。
私も中国製のオゾン発生器(空気清浄機と書いてある)を3台ほど買いました。
そしてそのすべてが中国製です。
どれも、3か月ほどするとオゾン臭がなくなってオゾンを発生している様子がありません。
さすがに3台目には一体中はどうなっているのか一度分解してみました。
3台目が下の画像です。
オゾン生成の方式
オゾンを生成するには大きく分けると、放電によるものと紫外線によるものに分けられます。
紫外線によるものはオゾン濃度が低いためあまり利用されないようです。
放電によるオゾン発生には主に沿面放電式とコロナ放電式がよく使われます。
中でも沿面放電式生産コストが安く中国製のオゾン発生器はおもにこの方式が使われています。
沿面放電式とは
沿面放電式とはガラスやセラミックの板の片面に面状の電極を配しもう片面に線状の電極を複数配置します。
その両電極に交流高電圧をかけることで線状の電極の周りに放電が生じ、その際にオゾンが発生するのです。
沿面放電式は低コストですが、線状電極から不純物が発生し放電を阻害したりまた、線状電極自体の腐食劣化も起きることで寿命が短いといわれています。
オゾン発生器の修理
さて、前述の私の壊れたとみられるオゾン発生器も予想通りの沿面放電式でした。
前面パネルをドライバでこじ開けると4本のねじが見えます。
虹を外すと構造全体が見えるようになります。
内部の下、黒いボックスがファンです。その上にあるコイルがマイナスイオン発生ユニットだと思われます。
その左の黒光りしたユニットがオゾン発生のための電源ユニットです。
その電源ユニットから出たケーブルが左下の2枚の青いプレートにO型の線状電極とみられるオゾン発生装置が見えます。
その裏には誘電電極とみられる金属面があります。
よく見るとその電極の周りに不純物とみられるものがこびりつき線状電極の縁が分からなくなるほどになっていました。
下の画像では赤い矢印が沿面放電式プレートで青い矢印のハケのような端子がマイナスイオン発生端子です。
修理する
かなりチープな作りですがその小さな沿面放電式プレートの線状電極の周りが変色し電極自体も表面がザラザラで不純物が付着しているように見えます。
修理と言えるかどうかわかりませんが、とにかくこの沿面放電式プレートの表面をきれいに掃除してやります。
最初、ティシュペーパーで線状電極面を拭いてみましたが、全くビクともしません。
どうせこのままでは廃棄するだけなので思い切って研磨剤を使ってみることにしました。
家庭用の研磨剤と言えばクリームクレンザーのジフでしょう。
これならどこの家庭にも一つや二つ置いてあるのではないでしょうか。
綿棒の先をジフに浸し、それでプレート面を丁寧に磨き上げます。
根気よく中程度の力で磨いていきます。
線状電極はあまり研磨するとプリントされた電極が擦り切れてしまう恐れもありますので慎重に磨きます。
裏の誘電電極面はオゾン発生に関係ありませんので汚れていても気にしなくていいと思います。
綿棒で拭くぐらいでOKでしょう。
オゾン臭が戻った!
5分ほどかかって2枚の電極面をきれいにしてとりあえず電源を入れてみました。
すると、今まで全くオゾン臭のなかった機械からオゾンの臭いがしてきました。
そこで元通り組み立てて正式に電源につないで稼働させてみました。
買って最初に感じたほどではないかもしれませんが確実にオゾンは発生しているようです。
コツは分解
というわけで捨てた2台が悔やまれますが。
中国製とみられるオゾン発生器の故障?オゾン臭がしなくなった時の対処は沿面放電パネルの掃除、研磨ということになります。
しかし機種によっては分解方法が分からないものもあります。
分解を理解するためには作る過程を遡ってみるとわかることがあります。
またシールなどに隠れたねじを探しましょう。
ねじを使わないはめ込み式の組み立ての場合は筐体の仕組みを観察して接合部を引っ張ってみましょう。
すこし、開くようでしたらそこにドライバーを差し込んだり筐体を壊さないように接合部をよく見てみましょう。
そうやって開けることができれば一旦、スマホで写真を撮っておきます。
そうしないと組み立てるときにわからなくなったりすることもありますから。
以上、オゾン発生器の復元でした。