このカテゴリも最終局面に入ってきました。
今後も思い出したことがあれば投稿していきたいと思いますが、とりあえずはこのカテゴリ最後の記事、前物件の解体になります。
この記事の目次
解体工事は必ず3社以上の見積もりを取れ
解体工事に相場というものはあまりないようです。
私の場合、市の担当者さんと結構いい関係を築いていたので業者の選定作業を全てお願いできました。
さすがに都市整備課の役職を持った方ですので候補は数社すぐに上がりました。
旧宅の設計図が幸い残っていたのでそれをもとに3社に見積もりをお願いしました。
数日後、担当者の人に見積もりの結果を問い合わせたところ、何とも気の毒そうに「どの社も高い高すぎる、もう少し待ってください、何とかしてみますから」という返事です。
立退きの場合、解体費用も補償に計上されています。その金額は補償コンサルタント会社が市の委託を受けて見積ったものです。
その金額が実際の見積もりとかけ離れていては補償コンサルタント会社のすべての見積もりの信ぴょう性が疑われます。
担当者の人も慌てて探してくれたみたいで数日後来訪し内訳を話してくれました。
実は私の立ち退き物件は鉄筋4階建て建て坪50のビルです。
解体費に充てられた補償額は約1500万円です。
解体業者3社の見積もり公開
A社 1650万円
B社 2250万円
C社 3750万円
A社とC社ではダブルスコア以上です。
こんなに差があるものなのですか?と聞いてみると
担当者の方の話では、「まずC社は問題外です。おそらく最初から受けるつもりがないのでしょう。それでいい加減な見積もりをしているのだと思います」
との事でした。
解体は業者の能力も見積もりに関係する
業者の能力といってもわからないと思いますが、解体には様々な重機や運搬車両、膨大な廃棄物の処理施設など会社によって差があります。
一番重要な廃棄物の処理は自社で破砕、焼却、リサイクルできる設備を持っていれば解体後の処理を外注することなく自社で完結します。
とにかく解体業者の能力はどれだけ自社に重機や、廃棄物処理等の設備を持っているかにかかってきます。
解体業者といっても会社は窓口だけのもので実際は各下請けに分散発注するような会社は当然価格も高くなります。
C社は物件を見て自社の能力では採算が取れないと判断して絶対に発注しないような金額を出してきたのだと思われます。
またB社はA社よりも設備において劣るという事でしょう。
余談ですが、
先日、近所で木造建物の解体現場に遭遇して好奇心からしばらく眺めていました。木造は簡単に壊れます。
大きなクレーンが先の大ばさみが高々と持ち上げたのものを見て唖然としました。何とエアコンの室外機なのです。
まだ室内機とパイプがつながっている室外機を勢いよく引っ張りパイプを切断すると、切断されたパイプから勢いよくフロンガスが噴き出し、パイプが勢いで空中で踊っていました。
エアコンなどの処理は見積もりに入っているはずですが、おそらく冷媒処理の担当者もいないような解体業者なのでしょう。
こんな、解体業者だけは選ばないようにしましょう。後から、どんな請求をされるかもわかりませんよ。
解体物の立地も解体費用に影響する
解体には大きな重機や運搬用のトラックの搬入、取り回し空間などが必要です。
住宅密集地で搬入経路が狭い場合や隣接道路が一面だけなど重機の搬入や廃材の搬出に一般車両の通行を妨げたりする場合。
そういう場合は警備の人員が必要になりそのための費用や工事の困難さからくる工期の延長で見積もりも高くなります。
また、電柱、電線が工事を著しく困難にしていたり、隣家にややこしい人がいたりすると当然後期が延び費用がかさみます。
野原の一軒家の解体が一番費用が安く済むでしょう。
やはり、市の担当者に関わってもらうのが一番
補償コンサルタント会社の補償見積もりで解体費用が算出されている以上、市の担当者さんも見積もりに合う業者を探す責任(道義的に)があります。
数日後、市の担当者の方が来訪し「A社が1480万円で見積もりを出してきました」と書類を持ってきました。
解体業社は公共事業等で市との関係も密です。
確かではありませんが、おそらくはある程度の市の要望は聞いてくれるのではないかと想像します。
そういうわけで何とか補償以内で解体工事の見積もりは確保しました。
建築予算を算出する予定があるので解体後何らかの理由で費用が見積もりを超えることがないか心配していました。
市の担当者の方が「これで請け負うとの事ですから余分に費用は発生しません」と確約してくれました。
解体業者の確約ではないので少々心配が残りましたが最終的に支払いは見積もり通りとなりました。
但し解体の工期は大幅に長くなりました。おそらくそれが条件だったのでしょう。
それにより全体の予定がずいぶんずれ込んで、土地の明け渡しが遅くなったため補償金の残金の振込も当然遅れました。
結局、建築費用の残金(3割程度)の支払いも遅れることになり建築会社の担当者に遅れる旨を伝えましたが快く承諾してくれありがたかったのを覚えています。
なんだかんだで結局公共事業による立ち退きは完了したわけです。
予算配分など綿密にした甲斐があり、殆ど予定通りになりました。
とにかく公共工事による立ち退きはゴネない
最後になりますが立ち退きの要請があり話し合いになり、補償金額が提示されたら一切ゴネないことが結局自分のためになります。
もちろん、正当な間違いや計算のミスなどは主張しても何ら差支えはありません。大事なのは担当者と良い関係を築くことです。
ゴネると確かに補償が増えるケースもあるでしょう。しかし微々たるものです。
昔はゴネ得はありました。市の有力者と親しいとか、再三再四市役所に怒鳴り込むような執拗な要求などで、補償額が3倍ほどになったケースもあると聞きます。
しかし、それは50年ほど前の話です。
今はゴネたりするより気持ちよく立ち退いて担当者との良い人間関係を作ることが、後々かなりの恩恵を受けることを知っておいてください。
さて、家は建ちましたが、これで予算は終わりではありません。
建築引き渡し後から必要となる費用などを別ページで紹介しています。↓