喫煙者の肺ときれいな肺
ビジネスジャーナルより引用
この記事の目次
肺にはHPがある
ゲームの話ですがドラゴンクエストのキャラクターにはそれぞれHP(ヒットポイント)があってHPがゼロになると死んでしまいます。
実は人の肺にもHPがあるのです。
しかも現実はゲームと違ってやくそうはありませんHPは減る方への一方通行なのです。
そして実は損傷した肺は元に戻りません。
つまり現在の肺があなたの一番いい状態の肺なのです。今後悪くはなっても良くなることはありません。
中国からの観光客に日本の小林製薬が販売しているダスモックが大人気で爆買いされているらしいです。
中国向けのパッケージもあるほどです。
理由はもちろん中国都市部の大気汚染の影響です。国民の健康を犠牲にして経済優先の政策の結果です。
過去30年の間に中国の肺がん患者は465%も増加しているのです。
特に北京では北京で暮らすより田舎で一日中煙草を吸っていた方がいいぐらいだといわれるほどです。
大気汚染物質の代名詞とも呼ばれるPM2.5ですがPMとは「Particulate Matter(粒子状物質)」の事で2.5は2.5μ(ミクロン)の事で2.5/1000mmの微粒子の事です。
具体的には自動車の排ガスや工場の煙突から吐き出される煤煙や粉じん、硫黄酸化物などのことです。
PM2.5は様々なものから排出されます。
工場や化石燃料を使う発電、エンジンなどはもちろん、炭鉱などの採掘によっても発生します。
家庭では料理、やストーブなどからも排出されます。
肺は再生しない
だからと言って、中国人がダスモックを大量に買って帰っても肺は元通りにはなりません。肺は一旦壊れるとそこは再生しないのです。
症状は確かに楽になるでしょう。ダスモックの主成分である清肺湯は医療用にも使われる漢方薬で保険適用もあります。
また、清肺湯には気道や肺の血流を良くし炎症を和らげる作用があります。
また気管支にある繊毛の動きを活性化します。
同時に軌道にこびり付いた微粒子や頑固な痰をはがしやすくする気道液の分泌を促し気道を潤すことで活発な繊毛の動きを補助し、微粒子や痰を喉の排出しやすいところまで移動させます。
しかし、それにも限界があり大気汚染により常に攻撃を受ける肺は徐々に破壊されていきます。
最初にゲームに例えましたが実際に肺にHPがあるとすればそのHPは回復しません。
消費しきればゲームオーバーという事です。
煙草の煙の正体はPM2.5
中国は現在深刻な大気汚染により肺がんが増加していますが、大気汚染だけが肺にダメージを与えるわけではないのです。
日本は、大気汚染があまりないから心配ないと考えたら大間違いです。
実はたばこの煙もこのPM2.5に該当するのです。
北京に住むのと田舎で煙草を一日中吸うのは実は同じことなのです。
受動喫煙が一番悲惨
喫煙者は自己責任で吸っているのだから、仕方ありません。
しかし副流煙や呼出煙による受動喫煙は悲惨です。
他人のせいで自分の肺が汚れるのですから。
タバコの害は見えている煙だけが有毒ではないのです。見えない有毒ガスは無風状態で半径7mの範囲に広がります。
また、風があれば数十mにまで届きます。
計算では、たばこ1本を吸うとドラム缶50本分の空気を汚染していることになるといいます。
室内分煙も意味がなく、WHOでは同室内の分煙は全く意味がなく推奨できないとされています。
まったく別室で換気設備を整えた喫煙室を作ったとしても戸の開け閉めの際に漏れ出る有害成分による受動喫煙は否定できないといいます。
自分の命ならともかく他人のましてや自分の家族さえ喫煙による犠牲を強いることになりかねないのです。
今すぐ煙草をやめるしかない
今禁煙すると肺はきれいになっていくのかといいますと、最初に書きました通り肺は再生しません。
しかし、禁煙することによって残っているHPを温存することができます。
禁煙後1ヶ月で気管支の機能は正常に近くなります。
禁煙後5年で肺がんのリスクが低下するといわれています。
肺の中にこびりついた有害成分が完全に取り除かれるには10年の歳月を要するといわれています。
しかし10年経っても肺の受けたダメージは回復しません。
HPは減ったまま増えることはないのです。
しかしそのまま煙草を吸い続けるとHPは減り続けるでしょう。
今禁煙するとHPは減ることはなくなります。
HPは少なくても肺は正常に機能してくれます。
ゼロにならない限りは・・・