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危険!飲んだら命を縮めるサプリメント
女性自身7月23.30日合併号に衝撃的な見出しの記事が載りました。
あなたの寿命を縮めるサプリ!
普段からサプリを多用している自分にとっては心外でありかつショックな見出しでした。
そこでご紹介がてらに自分なりの検証をしていきたいと思います。
1、マルチビタミン
1、高齢女性でマルチビタミンを摂っている人は死亡リスクが上昇するという報告がある、
2、男性は前立腺がんのリスクが増大する可能性がある。
3、加齢黄斑変性のリスクが高まる可能性がある。
明確な原因は特定されていないらしく「抗酸化物質が変化して逆に細胞を傷つけている可能性があるらしい。
以下に詳細をご紹介します
1、について:アイオワ州での閉経後女性の研究では18年間追跡調査を行い、MVM(または鉄など特定の栄養素)を摂取した群では使用していない群に比べてわずかながらしかし有意な全死亡率の増加を示したました。
2、について:確かに、米国がん研究所の研究では毎日マルチビタミンを摂取すると前立腺がんのリスクが32%増大し前立腺がんによる死亡率が2倍になるという報告があります。
3、について:加齢性眼疾患研究では、さまざまな進行度の加齢性黄斑変性患者を最も標準的なものより高容量のマルチビタミンを摂取させたところ平均経過観察期間6.3年の後、サプリメントは有意に進行性加齢性黄斑変性の発生リスクと視力障害を減少させたという県喰う報告もあります。
サプリメント大国、アメリカ合衆国ではもともと公的健康保険制度が充実していなかったため医療費負担が大きく治療医療に頼らず自己防衛する予防医療に国民の志向が重きを置くようになっていきました。
エアロビクスしかりジムエクササイズしかり、現在の日本の健康ブームで売られている様々な健康グッズはほとんどアメリカ発のものです。
アメリカでは1940年代初めにマルチビタミンミネラル(MVM)が発売されるようになってから爆発的に売れるようになり現在に至っています。
推定によるとアメリカ人の1/3が何らかのビタミンミネラル系のサプリメントを飲みそのうち40%をMVMが占めています。
全てのサプリメント全体の1/5がMVMという調査結果があります。
そんなマルチビタミンで上記のような弊害があるとすればアメリカでも大きな問題になっているのではないでしょうか。
そこでアメリカの現状を調べてみました。
現在アメリカでのサプリメント市場は約350億ドルを超えるといわれています。またアメリカ成人の約68%が何らかのサプリメントを常用しています。
しかしそこに問題が隠れているのかもしれません。アメリカ成人の84%がサプリメントの安全性、質、有効性を信じています。
そのサプリメントに対する信頼はアメリカ食品医薬品局がサプリメントを厳重に監視し問題のあるサプリメントを随時公表するという厳しい体制も影響しているかもしれません。
マルチビタミンはがんの発症リスクを下げる可能性がある
と新たな見解を発表したのはハーバード大学医学部のJ. Michael Gaziano氏らの研究チームです。
マルチビタミンを長期間常用している50歳以上の男性医師1万4641人を対象に様々ながんの発症リスクを調査したところ
マルチビタミンを服用していない対象群はマルチビタミンを継続的に服用している対象群よりがんの発症リスクが低かったという事です。
近年、医学会はコレステロール値や血圧の標準値設定などで業界との癒着が取りざたされています。
研究機関、大学などはメーカーからの支援を受けたりなどの癒着と生まれやすく一概に研究結果を信じるわけにはいきません。
批判を覚悟のうえであえて言わせてもらえばデータ改ざんはないとしてもや微妙な数字の自利的な解釈などで結果の誘導行われる可能性は大いにあります。
現在のところマルチビタミンの有害性に対するエビデンスが不足している以上さらなる公的な研究が期待されます。
2、ビタミンC
1、効果として謳っているアンチエイジングや美肌効果について効果は実証されていない。
2、白内障の罹患率が倍増するという報告がある。
3、虫歯になりやすくなるという報告もある
原因としては抗酸化物質であるビタミンCがなんらかの原因で有害な物質に変化したという説が有力
国立研究開発法人 国立がんセンター 社会と健康研究センター 予防研究グループの研究発表では
ビタミンCの摂取量が多いほど老人性白内障の発症率が低くなるという結果が出ています。
縦軸が白内障のなり易さを表しています。
しかし、この研究はビタミンCを食物から摂ったのかサプリメントで摂ったのかは明記されていませんでした。
おそらくは天然の食物から自然に摂ったビタミンCは白内障リスクを軽減するのは確かなのでしょう。問題はサプリメントによる過剰摂取だと思われます。
実際ある医療サイトによるとサプリメントによるビタミンCの過剰摂取は(300mg/日以上)は心血管疾患による死亡リスクの増加を招くとあります。
現在売られてる一般的なビタミンCサプリメントは1000mg/日というものが多く過剰摂取の何物でもありません。
また食物からのビタミンCは単体で摂取されることはありません。ビタミンCと一緒にいろんな成分が組み合わされて体内に吸収されます。
ビタミンCは良いことは分かっていますが果たしてそれはビタミンC単体が体に良いのかそれとも食物から摂ることによる未知のファクターが関与することによって体に良いとされているのか
まだまだサプリメントは研究の余地を残している段階だと思います。
これからの各機関による研究に注目したいところです。
3、カルシウム
1、カルシウムのサプリメントを定期的に飲んでいる人は心筋梗塞を発症するリスクが摂ってない人に比べて86%増加した(アメリカの研究機関の発表)
2、カルシウムが血管内の石灰化を促進する
カルシウムをサプリで取る人はおそらくは骨粗鬆症対策など骨丈夫にする効果を期待して摂取するものと思われます。
米ノースカロライナ大学チャペルヒル校、ワシントン大学、インディアナ大学、ウェイクフォレスト大学医学大学院などによる共同研究チームの研究では
カルシウムの過剰摂取は「アテローム性動脈硬化」でカルシウム由来のプラークが発生することに注目し、カルシウムの過剰摂取がアテローム性動脈硬化の要因である可能性を導き出しました。
元来、カルシウムは多く摂るほど健康に良いとされていましたがその常識に一石を投じた形になりました。
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