メラトニンとは
メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、体内の分泌量が増えると脈拍が遅くなり、体温が下がり、血圧も低下することによって眠気を作り眠りに入る状態になっていきます。
不眠症の方はメラトニンの分泌が不足していることが考えられます。つまりこのメラトニンの分泌を増やす事ができれば入眠しやすくなるのです。
またメラトニンは5歳ぐらいをピークに以降年齢とともに分泌量が減少していきます。年齢を重ねると睡眠時間が減少していくのはそのためです。
では、薬でメラトニンを直接体内に取り入れたらどうでしょう?
また、そんな薬はあるのでしょうか?
過去にメラトニン徐放剤(メラトニンを緩やかに放出する薬)が存在していましたが効果があまり認められなかったようで現在は存在しません。
現在では2010年にメラトニン受容体を刺激して自然に近い睡眠誘導できる不眠症の薬が承認されています。不眠症治療薬のラメルテオン(商品名ロゼレム錠8mg)として処方されています。
しかし私に限らずほとんどの方が「できれば薬に頼りたくない」と思っているのではないでしょうか。
そこで、薬に頼らず、メラトニンの分泌を増やし快適な入眠ができる方法をいろいろ調べて試してみました。
メラトニンの分泌を増やす方法
1、脳内セロトニンを増やそう!
メラトニンはセロトニンという神経伝達物質から作られます。
つまりセロトニンを増やせばメラトニンも増えるという事です。
ではどうすればセロトニンを増やすことができるでしょうか。
セロトニンの増やし方
セロトニンは主に腸の細胞で作られ、消化管粘膜に90%存在し腸の蠕動運動などに関与していますが。僅か2%が脳内で造られで神経伝達物質として感情や精神の安定に深く関係しています。セロトニンが不足するとストレスに弱くなり不安やイライラが増長されます。またメラトニンの材料であるセロトニンが不足することにより不眠になります。
逆にセロトニンが多いと心が安定し、幸せな気分になりやすくなります。そういうことからセロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれたりもします。
腸内に存在する多くのセロトニンは脳に血液関門があり脳に達することはありません。ですからセロトニンは脳で作るしかないのです。
セロトニンの原料トリプトファンを摂取しよう
セロトニンは必須アミノ酸のひとつトリプトファンから作られます。
ですから脳内セロトニンを増やすためにはセロトニンの摂取が不可欠となります。
トリプトファンは必須アミノ酸の一つで魚肉、米、豆など様々な食品に含まれています。
基本的に蛋白質が多い食品ほど多く含まれています。
食品の名前 | 100g当たりの含有量 |
バナナ | 10mg |
牛乳 | 42mg |
白米 | 89mg |
そば | 192mg |
アーモンド | 201mg |
肉類 | 150~250mg |
納豆 | 242mg |
チーズ | 291mg |
たらこ | 291mg |
また女性は男性に比べて脳内セロトニンを生成する能力が弱く特に積極的にトリプトファンを摂らなければなりません。
現在ではサプリメントとしてトリプトファンが手軽に補えるようになっています。
トリプトファン空腹時に炭水化物とビタミンB6とともに摂取する。
トリプトファンが腸から吸収され脳に達するまでにやはり脳血液関門を通ります。
その時トリプトファンはアミノ酸輸送体を介して脳内に取り込まれるのですが、この輸送体はトリプトファン専用のものではなくさまざまなアミノ酸と共通なのです。つまり、乗客が多いと輸送体に乗るのを待たされるわけですね。
ですから、トリプトファンを脳内により多く取り入れるためには他のアミノ酸が少ない時が効率的なのです。
つまり、アミノ酸のもと蛋白質を摂取していない時がいいのです。言い換えれば空腹時などが最適ではないでしょうか。
またトリプトファンからセロトニンを合成するためにはそのエネルギー源として炭水化物が必要になります。
同時に合成を促進するにはビタミンB6が必要になります。
ビタミンB6が含まれる代表的な食べ物は「ニンニク」です。そのほかマグロやカツオ、牛や鳥のレバーにも多く含まれます。
リズムを持った運動がセロトニン分泌を促す
リズム性の運動(歩行や、ジョギング、ダンス、ガムを噛んだりする咀嚼)はセロトニンの分泌を加速させると言われています。
太陽光を浴びる
事項で詳しく書いてありますが太陽光のような高照度の光を浴びるとメラトニンの分泌が抑えられセロトニンの合成が促進されることが分かっています。
セロトニンの増しやし方まとめ
1、トリプトファンを空腹時に糖質とビタミンB6と共に摂取する
2、リズム運動を積極的にする。(ガムを噛みながら散歩するなど)
3、天気のいい日は外で太陽光を浴び雨の日はできるだけ昼間明るいところで過ごす。
2、体内時計を整えよう
規則正しい生活に努力して朝日をお浴びましょう
睡眠ホルモンであるメラトニンが朝からバンバン分泌されたのでは日中眠気と戦わなければなりません。ですからヒトは体内時計により朝にはセロトニンが分泌され活動的に、夜になり寝る時間になるとメラトニンが分泌され入眠しやすくなるようになっています。
しかし不規則な生活により、体内時計が狂ってくると眠らなければならない時間にメラトニンが分泌されにくくなり眠れなくなります。また朝になってもセロトニンが生成されず残ったメラトニンにより眠たい状態が続きます。
ヒトは朝日を浴びることで体内時計がリセットされ一日を迎えます。朝日に含まれる446~477nmの波長の光が網膜に当たることによりリセットされた体内時計が16時間ほどでメラトニンを分泌するタイマーをオンにするのです。
明るさるさでいうと3000~5000ルクスの光を15分~30分間程度網膜を通して脳に送ってやればそこから16時間後にメラトニンが分泌されるのです。
3000~5000ルクスというのは晴れた日の日のあたる窓辺の明るさです。太陽自体の明るさは10000ルクスを超えるので直接見ることはできません。窓辺の間接光を視覚にとらえればよいのです。
また晴れた日に散歩に出かけても目に入る太陽光は十分です。曇りの日でも500ルクス程度は明るさがありますので曇りの日にこそ散歩してその分長い時間の光を浴びるようにしたいものです。
最近では人工的に太陽光と同じ光を発する器具が売られています。
また、メガネタイプで十分な光を安全に網膜に届ける器具も売られています。
居住空間や生活事情により朝日を浴びることが困難な人にはそういう選択もあるでしょう。
つまり、規則正しい生活をして朝は外に出て太陽の光を浴びる。そういう健康的な生活がメラトニンの分泌を正常に保ち、不眠症の予防や解消につながるのです。
3、寝る前1時間は照明を暗くすること
メラトニンの分泌は網膜の受ける光により阻害されます。また暗闇で分泌が活性化されます。
つまり就寝前の1時間ぐらいは部屋を暗くして明るいものを見ないようすることが睡眠に入る準備になります。
テレビも寝る直前まで見ることは入眠を妨げることになりかねません。
4、スマホやパソコンは就寝前1時間はしないこと
網膜が受ける光の中でも特にブルーライトと呼ばれる青色の光にメラトニンの抑制効果が大きいことが分かっています。
また、スマホやパソコン、テレビなどの液晶ディスプレイからは多くのブルーライトが出ています。
就寝前できれば2時間、少なくとも1時間前にはパソコンやスマホを終了することが不眠の解消につながります。
最近ではブルーライトをカットするメガネが売られています。ブルーライトは目にも害を及ぼすことが分かっているのでそういうメガネを対策として使うのもいいかもしれません。
私はサプリメントで不眠症を克服した。
以前の私の状態は、布団に入ってもいろいろなことが気になりなかなか寝付け結局ず朝まで意識が続いていたような感じで起きることがよくありました。ひどい時にはそれが二日も続くことがあったのです。
現在、私は完全に眠れるようになりました、ちょっと早いですが夜10:30には布団に入り5分とかからず朝6時までぐっすりです。
途中3時半ごろに一度目が覚めますが時計を見てまた即眠れます。
私がやっていることはすでに上に書いてありますがなかなかトリプトファンやビタミンB6を食事から積極的に摂るということはなあ中めんどくさいものです。そこでサプリメントで補えないかと探してみるといろいろみつかりました。
外国製のものはちょっと怖いし量が半端ないです。実際私が使用しているものを下に書いておきます。