絶えない介護現場での暴力
よく、ニュースで介護施設でのお年寄りが介護者から暴力を受けたり逆にに放置されてひどい状態になったという事が取り上げられます。
そのたびに、「なんていう介護人だ!」「クビにしてしまえ」「刑務所送りだ!」などとと思われることでしょう。
確かに、暴力、や、放置、責任放棄、などは絶対あってはならないことです。
しかし介護現場に実際に携わったことがない人にはわからないことがたくさんあります。
ちょうど介護を必要とする世代、特に80代後半、特に男性は「男尊女卑」「職業差別」「使用者根性」などの差別意識が横行した時代を生きた人です。
若い時代に植え付けられたそういう感性は年をとっても変わるはずもありません。
自分自身がままならぬ状態なのにまだ他人を差別するという意識がある人が残念ながら少なからずおられます。
もちろん個人の個性ですからみんながそうだという気はさらさらありません。
たとえ仕事でやっていても「ありがとう」の一言が欲しい。
私は、介護現場は知りませんが、病院のリハビリや入院病棟の現場は知っています。おそらくは同じことが起きているのだと思います。
してもらって当然と思っている患者、看護師やリハビリ担当者を自分より身分の低いもののように命令口調で世話を要求する患者。
とにかく感謝の気持ちのまったくない患者。
それでも私たちは笑顔で答えます。
良い患者さんもいっぱいいます。むしろそれが普通です。ただ時々人としてどうなんだろうと思う患者さんに巡り合うとモチベーションを著しく消失します。
以前、入所施設で入所者が暴力を受けたり、排泄を放置されたりという報道がありました。
もちろん、それは絶対にあってはいけないことです。
しかし私はそこに至るまでに味わった介護者のいらだちをつい想像してしまいます。
そこに至るまでに一体どんなことがあったのだろうと。
介護される方のテクニック
介護する方も人間です。将来ロボットやAIが取って代わるのならそれが一番いいことだと思います。
しかしまだ時間がかかりそうです。
介護される方も皆が自分に良くしてもらいたいと思っているはずです。
もし、そう願うなら介護する方と良い人間関係を作ることが一番のテクニックです。
といっても簡単なことです。
「ありがとう」の一言でいいのです。感謝の言葉を伝えることです。
私が勤務していた時には時々ポチ袋に入ってる決して少なくない金銭をもらうことがありました。
病院勤めの方ならほとんどが経験することです。
しかし、ここではっきり申し上げます。少ない年金からそういうお金を捻出するのは止めましょう。
なぜなら無駄だからです。
我々は、何かをもらったからといって特にその人に良くしたり、もらわなかったからといってその人の世話に手を抜いたりしないからです。
私たちはプロです。できる限りのことはやっていきます。
もっといえばかえって、付き合いづらくなるのがオチです。
そんなものはいいですから。言葉でねぎらってください。
「いつもありがとう」
「ご苦労様でした」
「よくやってくれて感謝してます」
などといわれると一挙にモチベーションが上がります。
ただ介護者、被介護者、に限らず人間全てについてある一定の割合で常識ない、悪意を持った人がいるのは事実です。
そういう人に偶然巡り合ったら、逃げましょう。転院が最善です。
最後に絶対にやってはいけないことを書いて終わりにします。
好みの介護士さんやセクシーな看護師さんにセクハラをしてはいけません。