筋肉痛はなぜ起こる?
日常で筋肉痛を起こす事ってけっこうあります。
大掃除の後、運動会の後、日曜大工の後など何かを夢中でやった時。
普段使わない筋肉を使うからなのか早ければ翌日、遅くても翌々日には触っただけでも筋肉が痛いというようなことがありますね。
筋肉痛には状態によってさまざまな程度があります。
様々な原因による筋肉痛は筋肉の繊維が傷ついたり切れたりして起こります。
筋肉繊維は1本が髪の毛ほどの細さで直径5Cmほどの骨格筋はで約67万本もの筋肉繊維が束になっているものなのです。
ですから筋肉繊維が傷ついたり切れたりという事があってもそれは、数百万本の中の数本~数十本です。
ですから大きな内出血などは見られません。しかし損傷した筋肉繊維を修復するために炎症が起き炎症からできる物質によって筋肉痛が起きます。
痛い場所はピンポイントだったり筋肉全体が痛い場合もありますが普通3日から1週間程度で完治します。
筋肉痛の治療法
よほどひどい筋肉損傷がない限り自発痛(じっとしていても痛む)はありません。
その筋肉を使う動作をしたときに限り痛みが出ます。
痛みとは防御反応のひとつで
痛いから動かさない→動かさないから治る
そういうメカニズムなのです。
つまり治療法は安静が一番です。痛いことをしない。損傷した筋肉を使わないことが最も適した治療法なのです。
しかし人は生活において筋肉痛を起こした筋肉を全く使わないなんていうことは不可能です。
だから痛みに耐えながら生活していきます。
できるだけ早く痛みを取る方法
もしあなたが不注意で肘を机の角にぶつけたらどうしますか?
かなりの痛みがあります。
そうすると無意識に片方の手で痛い場所をさすりませんか?
そしてさすることにより痛みが和らぎませんか?
これは、おまじないで痛みが和らいだような気がするからではないのです。
これはにはちゃんとした理論があるのです。
ゲートコントロール理論で痛みが消える
感覚は神経によって伝達されます。
感覚を伝える神経線維にはつぎの二つがあります。
太い神経線維(触覚などの高等な知覚を伝えるもので伝達速度が速い)
細い神経線維(痛覚など個体が侵害された情報を伝えるもので伝達速度は遅い)
上図のよう細い神経線維により伝達された痛みの刺激はT細胞(痛みを上位中枢に伝える細胞)を興奮活性化させて痛みを脳に伝えます。
また脊髄後角には膠様質(SG)と呼ばれる細胞群がありこの細胞が太い繊維からの刺激により興奮することでT細胞の興奮を抑制すると考えられています。
細い繊維から伝わる痛みと同時に皮膚に触覚を与えると太い繊維にも触情報が流れそれがSG細胞が興奮しT細胞の興奮を抑制するのです。
つまり、痛みの伝達は皮膚の触覚を刺激することで脳への伝達を抑制することができるのです。
痛いところをさすると痛みが和らぐ原理がこれです。
昔からゲートコントロール理論は民間治療に使われていた
他の地域の事は分かりませんがわれわれ関西では昔から「米粒療法」なるものがありました。
痛いところへ米粒を絆創膏で貼り付けるのです。
そうすると不思議と痛みが和らいだり消失したりしたのです。
つまり米粒の圧迫による高度で持続的な触覚がSG細胞を活性化させ痛みの伝達をコントロールして緩和しているのです。
勘のいい方はすでにお気づきかもしれませんが、よく似た商品があります。
ピ〇プ・エレ〇バン等の商品名で同じコンセプトの肩こりや腰痛などの治療器具が売られていますね。
磁力を売りにしている磁気治療器としてのものが多いように思われますが磁力が除痛や肩こりに有効だという明確なデータや実験はありません。
私は殆どがこのゲートコントロールの作用だと思います。
ですから磁気サポーターや磁石入り腰痛ベルトなどが売っていますが磁気の付加価値は全くないと言っていいでしょう。
さて、筋肉痛の話ですが筋肉の痛い場所に触覚を刺激するものを貼ればかなり痛みはとれます。
それは米粒療法でもいいですし、上記の商品でもある程度の効果はあるでしょう。
元理学療法士としては次の物をお勧めします。コスパはたいへん優れています。
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普通痛い場所を中心に10個ほど貼り付けると効果があります。