フルーツという健康に良さそうな名前が落とし穴
フルーツというとビタミンの宝庫であり、いかにも健康によさげです。
しかも100%フルーツジュースとなると添加物や混じり物がないとイメージがその健康的イメージに拍車をかけます。
100%野菜ジュースとほぼ同等な健康イメージがあるのではないでしょうか。
しかしそこに落とし穴があるのです。
果実とは、動物などに食べられて種子を広範囲に散らばらせ子孫を広げていくために動物にとってエネルギーであったり美味しかったりと何らかのwinwinの性質を持っています。
つまり人にとっては果糖という甘さとエネルギーを持っているのです。
果糖はブドウ糖と同じ単糖類で須賀ブドウ糖に比べて小腸での吸収が穏やかであるため血糖値の上昇が緩やかに進みます。
しかしその分、満腹感が得られにくく、またその形状から簡単に摂取できるので大量に飲んでしまうことになります。
フルーツジュースを飲む人は死亡率が24%上がる
ハーバード大学の研究チームのレポートによりますと甘い飲み物を好む生活習慣の人と死亡リスクを成人1万3千440人を対象に検証しました。
その結果フルーツジュースを飲む習慣と死亡リスクに関連性が認められたとのことです。
フルーツジュースと聞いてイメージするのはポリフェノールやビタミンなど健康なイメージが群を抜いています。
しかし、その裏で確実に含まれるのは果糖です。果糖、といえば砂糖ではなく体にとって悪くないイメージを持つ人も多いかもしれません。
しかし砂糖(スクロース)は果糖分子とブドウ糖分子がくっついたもので果糖とは砂糖の一部なのです。
つまり、あくまでも糖なのです。
しかし、ブドウ糖はインスリンによりほとんどが筋肉でエネルギーとして消費されます。
一方果糖はインスリンを必要とせずほとんどが肝臓で代謝され中性脂肪などに変換され余分な脂肪は蓄積されます。
これを習慣にしていると脂肪のリスクを高めます。
美容にも悪い
果糖はタンパク質と結合しやすいので細胞の糖化を促進させます。果糖の摂りすぎはそれにより内蔵機能を弱体化させ、また皮ふの老化も早めくすみやしわの原因になったりと何かと美容にとってマイナスに働くようです。
フルーツが悪いわけではない
かといって果糖が多く含まれる果物が悪いかというと果物自体は果糖だけが含まれているわけではありません。多糖類やビタミン、ミネラル、抗酸化物質や食物繊維が豊富に含まれています。
フルーツが健康に良いものであることは疑いようのない事実なのですが、それをジュースにするとどうしても果糖を摂りすぎてしまうのです。
果糖の摂りすぎは結局肝臓で脂肪に変換され悪くすると脂肪肝になるリスクもあります。
まして、100%果汁ジュースとなると大変な量の果糖になります。
みかん1個を絞ってだいたい約40~50mlの果汁ができます。200mlのカップに満たすには4~5個のみかんが必要です。
ハリウッドの映画で朝食シーンでは必ずオレンジジュースが食卓に付いています。
ハーバード大学の研究もそうしたアメリカの食習慣に警鐘を鳴らしているのだと思われます。
というのも食事中にフルーツジュースを飲むと食事で摂る炭水化物に果糖などの糖分が加わると血糖値が急上昇しインスリンの分泌が大量に増加します。
そのことにより糖尿病のリスクがかなり増加するのです。
また食事に毎朝果汁を絞ってジュースを作る過程も少ないと思います。
やはり市販のフルーツジュースを飲むわけですが、市販されている果汁100%のジュースの多くは濃縮還元によるものです。
海外から輸入したものが多く、輸送に際してコストを削減するために体積を減らさなければなりません。
そのために加熱濃縮し水分を極力少なくしたペースト状になります。
ペーストといっても食物繊維は搾る際にほとんどが取り除かれています。
そして、製品にする際はそれに水分を加えてもとに戻すわけです。
加熱濃縮の際にビタミンやミネラルは壊れてしまい食物繊維もほとんど存在しないうえに、水分で還元する際、味を調整するために生成された甘味料を使う場合もあります。
一見、健康に良さそうな100%果汁ジュースですが常用したり多量に飲むことで思わぬ健康リスクを招いてしまうことになるのです。
100%野菜ジュースに切り替えましょう
アメリカ人は日本人より糖尿病になりにくいのかとても甘いものを好みます。
よく映画などでコーヒーに大量に砂糖を入れるシーンを見たことがありますが私ならとても飲めないほどの砂糖を入れます。
それが普通のようですアメリカではコーヒーをブラックで飲む人はあまりいないようです。
そんな、アメリカの朝食をまねてトーストにサラダ、オレンジジュースという生活を続けると日本人ならたちまち糖尿病のリスクにさらされる事になるでしょう。
どうせ飲むのならば野菜ジュースに切り替えましょう。100%野菜ジュースなら死亡リスクが上がることはないでしょう。