解体工事は業者によってかなり費用が違ってきます。
私の場合は公共事業による立ち退きで解体費用も補償に含まれていました。
立ち退きの場合、保障の中の解体費用は誰が決めるのかということになります。
立ち退きには市町村など公共事業の施主が補償コンサルティング会社に依頼します。
このコンサルティング会社が立ち退き物件の資産価値や、移転にかかる費用引っ(越し費用)、物件の解体費用、立ち退きに係る休業補償などあらゆることを査定して市町村に報告します。
つまり、解体費用は一般的に適切な費用がコンサルティング会社によって決定されているのです。
逆に言えば解体費用は見積もりを取ってもらわなくても補償で賄えるので心配いらないということです。
私は、当然ですが解体業者など知り合いがいるわけもなくまた全くの素人で情報がありません。
そこで、公共工事の当事者である市の担当者に業者を紹介してもらうことにしました。
公共工事による立ち退きは快く
公共工事による立ち退きでこの記事にたどり着いた方にはこの情報は大事ですのでよく聞いてください。
まず、第一に立ち退きは拒めません。
また立ち退きを引き延ばしたからと言って補償が上がることは全くありません。
ですから立ち退きの話があったら担当者(公務員)の人とはできるだけ良い関係を作っておきましょう。
それが後々、とんでもなく役に立ってきます。
見積もりは最低でも3社に依頼する
話が少し横道にそれましたが解体業者選定は言うまでもなく慎重にしなければなりません。
なぜなら、解体工事は業者によってかなり費用が変わってくるからです。
解体する物件が大きくなればなるほど差は大きくなります。
それは解体業者について次のような理由があると思われます。
〇最新重機を豊富に持っているか。
〇従業員が多いか、下請けに依存しすぎていないか。
〇現在までの取り扱い件数が多いか。
〇産業廃棄物の処理施設を自前で持っているかどうか。
特に4番目の産廃の処理施設を自前で持っている業者は強いです。
担当者にお願いして、見積もってもらった結果がなかなか出ずに連絡がないのでその担当者に催促してみました。
電話をしたのですがなんとなく煮え切らない担当者さんの返事で何かまずいことになっていると直感しました。
予想は当たりました。
思うような見積もりがどの会社からも提出されず今一度見積もりをお願いしているところだというのです。
ちなみに、補償コンサルタントが算出した解体費用の価格は940万円でした。
1週間ほどして担当者さんが困ったような顔で見積もりを持ってこられました。
その時に実際、担当者から見積もりを請け負った業者3社の見積もりをご紹介します。
実際の解体工事見積もりを公開
B社
C社
まとめますと
A社 1150万円
B社 2651万円
C社 1033万円
A社とC社は誤差の範囲かもしれませんしかしB社に至っては他社の2倍を優に超えています。
見積もりの内容もずいぶん違います。C社が一番詳細な見積もりを提出してくれました。
他社の見積もりはおおざっぱとしか言いようがありません。
ここで注意が必要なのは、これはあくまでも図面から起こした見積もりであって実際、内覧して見積もった金額ではないということです。
どういうことかというと内覧次第ではこの見積もりは容易に超えた金額となるということです。
つまり図面にはないもの、ご近所の道路状態とか接する道路の許可申請先、利用できる空き地の存在など工事を容易にしたり難しくしたりする要因がいっぱいあるのです。
道路の幅が狭いというだけでも見積もり価格は大きく違ってきます。廃棄物の搬出の作業が回数、難易度ともに大きくなるからです。
業者の会社パンフレットを精査してみました。
そもそもA社、B社は見積もりだけで会社パンフレットはありません。
C社は十数ページに及ぶ会社の紹介パンフレットが添付されていました。
パンフレットを見ると結構大手の会社で産廃処理の自家施設を写真とともに紹介してありました。
社員数は50名ほどですがパンフレットには会社の沿革もきっちり書かれてあります。
営業許可項目も逐一書かれてあり。所有重機一覧もあります四十数項目にわたります。
所有ダンプのリストもあり従業員の資格者リストもしっかりと書いてあります。
かなり大きなしっかりとした会社です。
まあ、それは良しとして、一番不快なのはすべての会社の見積もりが補償コンサルタント会社の算出した940万円を大きく上回っているということです。
その辺を市の担当者に問い詰めると彼もいささか困って、「数日待ってください。何とかしますから」ということでした。
3社の見積もりがいずれも補償コンサルタントのはじき出した価格よりも大幅に上回っているということはそのほかの項目も信頼性にかけることになります。
そこのところはあえて突っ込んだ話はしないようにしました。
とにかく市との良い関係を崩したくありませんでしたから。
今からして思うと、担当者さんもかなり交渉してくれたんだと感謝しかありません。
数日して、担当者さんが持ってきた見積もりはC社の見積もりで、前回と全く同じ見積もりですが合計金額だけ二重線で消して940万円と修正した金額を上に手書きで書いてありました。
公共工事の立ち退きはの場合、市町村が介在しているのでおそらくはC社の忖度が働いたと思われます。
それには市の担当者さんの力が十分に働いたと思われます。
公共工事について建設関係業者は市町村などから受注を受ける立場です。
いわゆる、市町村はけっこう無理の通すことができる立場なのです。
見積額がコンサルタントと全く同じ金額というところからも見て取れます。
大きな会社は無理が効く
またC社は大手の会社なのである程度の値引きは自社の設備で吸収することができます。
小さな会社の場合はいろいろ外注が発生します。
産廃の処理、重機や運搬車両のレンタル、警備員の派遣等。
しかしそれらの事を自社で賄える会社は余裕がありますのでこちらの事情で値引きしてもらえる可能性はあります。
解体工事の発注は会社の規模や内容をよく調べて
私の場合は、公共工事の立ち退きで市が介入していたのでいろいろ助かった部分がありました。
全く何のつてもなく解体業者を選ぶ場合やはり信頼できるアドバイザーが必要になってきます。
やはりその道の知識を十分に持っている人に相談することが必須となってきます。
その入り口としては下のような比較サイトもあります。
何のリスクもありませんので一度相談してみるのもいいと思います。
全く初めて解体工事を業者に発注する場合はまずパンフレットなどを取り寄せ会社の事をよく調べなければ大きな失敗をすることがあるでしょう。
そしてやはり1社よりも数社に見積もりを出してもらって内容を比較検討する必要があります。
見積り内容で見えてくること
最後に私が経験して思った事を書き残します。
3社の見積もりを比べてみると気が付くことがあります。
例えばB社の飛びぬけた価格。
おそらくはこの仕事を引き受ける気がもともとなかったように思われます。
工事が手に余るのか、他の工事で手がいっぱいなのか、その辺はわかりませんがどう考えてもまともに見積もっているようには思えません。
また、見積もりは内覧して建物の状態を実測してから変わる場合があることも知っておかなければなりません。
例えば、家具等がそのままの状態で放置されていたり、エアコンが付いたままであったり、すると処分に費用が掛かってきます。
また一番大変なのは、もし建物が古い建物で建設時に断熱材としてアスベストが使われていたりしたら最悪です。
一挙に数百万円のレベルで解体費用が上がってしまいます。
解体には様々な要因が価格を決定しますのでできるだけ安くあげるためには、不要な家具やエアコンなどはあらかじめ撤去しておくことが望ましいです。
エアコンの撤去は自分でできます。
過去記事を参考にしてみてください。