50年の人生で会得した健康から日常生活、マイホームの取得、パソコンにいたるまで多岐にわたるお役立ち情報を公開しているサイトです。

カズの知恵袋

新電力のデメリット

更新日:

地球温暖化対策により新電力は二極化する。

産業革命以前と比べて世界の平均気温が2度上昇すれば地球温暖化はもう後戻りできないところに来るといわれています。

パリ協定の始動を2020年に迎える中COP25で小泉環境大臣は具体的なCO2削減目標を提示できないまま閉幕しました。

おかげで日本は世界から地球温暖化対策に消極的な国として国際NGOから温暖化対策に消極的な国に贈る「化石賞」をいただく始末です。

実際、石炭を用いた発電はもう限界に達しています。

今後、新電力は再生可能エネルギーを採用している割合によって倒産や極端な電気料金の値上げに走る会社とそのまま顧客を維持または増加できる会社の2極化が始まると思われます。

その根拠を今からご説明します。

日本の目標は「非化石化率44%」

各国が「再生可能エネルギー比率50%」を掲げて温暖化対策に取り組む中、日本では「非化石化率44%」という表現で温暖化対策を推進しようとしています。

ここに問題があります。44%という数字もさることながら、再生可能エネルギー率ではなく非化石率ということはどういうことでしょう。

非化石化率という言葉の裏には原発中心の発電に依存しようという考えが見え見えです。

今後、世界からの日本の温暖化対策について圧力が加わることは必至です。悪くすればそれによりヨーロッパなどから経済制裁も受けかねません。

したがって従来の石炭発電所は次々と閉鎖に追い込まれるでしょう。

そして、休止中の原発の再稼働はもちろん新しく原発が新設されることすら予想されます。

現在稼働中の原発はわずか9基

日本には現在60基の原子力発電の炉があります。福島の原発事故以来全面停止していた原発ですが現在の稼働状況は以下の通りです。

稼働中の炉 ………………………………… 9基
原子炉設置変更許可がなされた炉 ……… 6基
新規制基準への適合性審査中の炉 …… 12基
適合性審査未申請の炉…………………… 9基
廃炉を決定した炉 ………………………… 24基

今後、再稼働する原発は増えていくことは目に見えています。

再生可能エネルギーの開発の進まない理由

もちろん、再生可能エネルギーの開発も行われています。

しかし思うように進まないのが現状です。

政府の「エネルギー基本計画」のずさんさから利用者に再生エネルギー賦課金を課しながらも計画の不備により参入者が十分稼働できない状態になっているのです。

実際、太陽光発電の参入業者は多く一時期大変な盛り上がりを見せました。

しかし土地の取得や整備ができていなくても計画でだけで認可が受けられるのです。

ですから認可は下りたものの、実際の土地の買収がうまくいかなく実際に稼働始めたものは認可の2割ほどなのです。

送電線網は既存電力会社の思いのまま

また、発電した電力を運ぶ送電網の整備にかかる費用の問題もあります。

実際、太陽光発電は広大な土地が必要で既存送電網に接続するには新たな送電施設が必要になります。

また設備を確保しても再エネ電力は既存送電線になかなかつないでもらえないということをよく聞きます。

政府の見解では送電線の容量がいっぱいで送電線の増強を待って順次、届け出順に繋いでいくということらしいです。

また接続は届け出順が鉄則で先に発電を確保している石炭発電所がどうしても先になってしまいます。

ドイツでは再エネ発電の接続がが最優先されるといいます。

その点、日本政府の経済最優先、温暖化対策への消極的姿勢は非難されても仕方のないことかもしれません。

新電力が今の価格を維持できる保証はない

政府としては何としても化石燃料発電を削減する方向に向かうことは必至です。

当然、新電力にも何らかの規制が加わることでしょう。

その時、新電力が再生可能エネルギーを主体としている会社であれば問題はありません。

電力自由化で大きな資本が既存の電力会社張りに化石燃料発電により、低価格をウリに展開している会社は価格体系を見直さなければならなくなるでしょう。

各電力会社のCO2排出量の規制は必至

現在の電力会社別電気販売量のベスト50位までを見てみましょう。

電気販売量順位 電力会社名 電気販売量(千kWh)
第1位 東京電力エナジーパートナー 20225854
第2位 中部電力 10831782
第3位 関西電力 10808426
第4位 九州電力 6612928
第5位 東北電力 5895360
第6位 中国電力 4609211
第7位 北陸電力 2206079
第8位 四国電力 2054376
第9位 北海道電力 1788627
第10位 テプコカスタマーサービス 1150568
第11位 エネット 1131850
第12位 沖縄電力 813691
第13位 東京ガス 809696
第14位 JXTGエネルギー 534313
第15位 大阪瓦斯 500396
第16位 KDDI 499287
第17位 エナリス・パワー・マーケティング 417721
第18位 F-Power 358044
第19位 丸紅新電力 286416
第20位 ハルエネ 283167
第21位 SBパワー 238741
第22位 九電みらいエナジー 234996
第23位 サミットエナジー 227021
第24位 出光興産 219768
第25位 オリックス 200926
第26位 ウエスト電力 172475
第27位 シン・エナジー 161185
第28位 エバーグリーン・マーケティング 159883
第29位 ミツウロコグリーンエネルギー 157298
第30位 日本テクノ 136353
第31位 関電エネルギーソリューション 135467
第32位 ダイヤモンドパワー 131851
第33位 エネサーブ 127870
第34位 シナジアパワー 121468
第35位 Looopでんき 108107
第36位 東邦ガス 108016
第37位 王子・伊藤忠エネクス電力販売 107907
第38位 MCリテールエナジー 104267
第39位 東急パワーサプライ 103077
第40位 アイ・グリッド・ソリューションズ 99213
第41位 新出光 96680
第42位 エフビットコミュニケーションズ 93862
第43位 リコージャパン 93256
第44位 伊藤忠エネクス 91486
第45位 HTBエナジー 90212
第46位 サイサン 89348
第47位 大和ハウス工業 87443
第48位 ジェイコムウエスト 83756
第49位 イーレックス・スパーク・マーケティング 76970
第50位 楽天モバイル 75042

やはり既存電力会社が上位を占めていますね。

次にCO2の排出量の優良上位50位までと電力販売量の順位を対比してみましょう。

CO2排出量優良順位 電気販売量順位 電力会社名 CO2排出量(t-CO2/kWh)
第1位 第43位 リコージャパン 0.000359
第2位 第13位 東京ガス 0.000371
第3位 第15位 大阪瓦斯 0.000389
第4位 第27位 シン・エナジー 0.0004
第5位 第30位 日本テクノ 0.000416
第6位 第3位 関西電力 0.000418
第7位 第11位 エネット 0.000441
第8位 第31位 関電エネルギーソリューション 0.000441
第9位 第41位 新出光 0.000459
第10位 第49位 イーレックス・スパーク・マーケティング 0.00046
第11位 第4位 九州電力 0.000463
第12位 第2位 中部電力 0.000472
第13位 第1位 東京電力エナジーパートナー 0.000474
第14位 第10位 テプコカスタマーサービス 0.000477
第15位 第34位 シナジアパワー 0.000481
第16位 第35位 Looop 0.000505
第17位 第14位 JXTGエネルギー 0.000509
第18位 第22位 九電みらいエナジー 0.000512
第19位 第18位 F-Power 0.000513
第20位 第46位 サイサン 0.000518
第21位 第19位 丸紅新電力 0.000522
第22位 第5位 東北電力 0.000523
第23位 第23位 サミットエナジー 0.000524
第24位 第8位 四国電力 0.000535
第25位 第45位 HTBエナジー 0.000543
第26位 第32位 ダイヤモンドパワー 0.000547
第27位 第39位 東急パワーサプライ 0.000549
第28位 第29位 ミツウロコグリーンエネルギー 0.000556
第29位 第17位 エナリス・パワー・マーケティング 0.000558
第30位 第21位 SBパワー 0.000559
第31位 第26位 ウエスト電力 0.00056
第32位 第42位 エフビットコミュニケーションズ 0.000562
第33位 第38位 MCリテールエナジー 0.000565
第34位 第44位 伊藤忠エネクス 0.000566
第35位 第7位 北陸電力 0.000574
第36位 第16位 KDDI 0.000577
第37位 第47位 大和ハウス工業 0.000579
第38位 第50位 楽天モバイル 0.000589
第39位 第40位 アイ・グリッド・ソリューションズ 0.000594
第40位 第25位 オリックス 0.000595
第41位 第37位 王子・伊藤忠エネクス電力販売 0.000599
第42位 第48位 ジェイコムウエスト 0.0006
第43位 第20位 ハルエネ 0.000602
第44位 第33位 エネサーブ 0.000645
第45位 第6位 中国電力 0.000677
第46位 第9位 北海道電力 0.000678
第47位 第36位 東邦ガス 0.000709
第48位 第12位 沖縄電力 0.000772
第49位 第24位 出光興産 不明
第50位 第28位 エバーグリーン・マーケティング 不明

Co2排出量の値は総排出量ではなく1kWhを発電するために排出する量なので販売総量は関係ありません。

ですから、Co2排出量が少なくて優良な電力会社は発電に使う再生可能エネルギーの割合が大きいといえます。

また地の利もあり、ダムや水量が豊富な川があり水力発電が可能な地域も当然CO2排出量は少なくなります。

逆に、沖縄などもともとアメリカ統治されていたなどの理由も火力発電に依存している理由になるかと思われます。

電力会社のCO2排出制限は確実に来る

もし各電力会社にCO2排出割り当てなどが政府によって行われた場合、既存の電力会社には原発という切り札があります。

しかし新電力は、いきなり再生可能エネルギーによる発電設備の増設を迫られることになるでしょう。

当然、現在の電気料金は維持することは不可能です。

そうでなくても顧客確保のために無理をして赤字決算を出している電力会社が少なくない現状を見ると今後電気料金の値上げは不可避かと思われます。

新電力、安いのは今だけかも

電力会社は安さだけで選ぶとまたすぐに変えなければならなくなるかもしれません。

もし今から新電力に移行を考えている方はできるだけ再生可能エネルギー発電を重視している電力会社を選ぶことが安定した電気料金を維持できそうです。

上の表を参考にCO2の排出量のできるだけ少ない電力会社を選びましょう。

それが地球温暖化の防止にもつながりますし、電量会社へのアピールにもなることでしょう。

地球温暖化を食い止めるにはこうした小さなことの積み重ねが必要です。

自分たちの子や孫のために電力会社の選別から始めませんか。

  • B!