55歳からの挑戦
長年続けてきた仕事を退職してカフェを始めようと思われている方に私の経験してきた事をご紹介します。
現在、座席数20の小さなカフェをやっています。もう2年になります。こうなった経緯はこのブログどこかに書いてあります。55歳からの冒険です。
おかげさまで、日によってはランチが満席の時もあります。
妻と娘と3人で回しています。私は表に出ることはなく裏方の仕事ばかりです。
暇なときにはいわゆる閑古鳥が鳴いているときもあります。
でも楽しいです。
やるなら楽しめるように計画してください。
それが、カフェを始めるに当たって一番大事なことです。
あなたが、うまく開業できますようにお祈り申し上げます。
1、目的の確認
何のためにカフェを開業するのか自分の意志を確認します。
ケース1、退職後退職金を元に趣味がてらにカフェを始める。
ケース2、今後の生業として生計を立てるために借金をしてもカフェを始める。
ケース3、貯金が貯まったので念願の脱サラをしてカフェを始める。
まず、最初に申しておきたいことは、カフェなどというものは余程のコンセプトがあるか、ヒットメニューがあるか、フランチャイズでやるとかでないとそんなに儲かる商売ではないという事です。
また、開業したけれど隣にスターバックスができてしまった。などという笑えないリスクもあります。
したがって、ケース2の場合、余程の覚悟とモチベーション、アイデアと運がないとたぶん廃業になります。
ケース3の場合は投資としてやるのならもっと他に脱サラで儲ける手段があると思います。
ケース1の場合は家族経営でカフェが好きなら存続する可能性は高いでしょう。
とにかく食べていければいいのか、大きく儲けたいのかそこのところを目的としてまず自分で確認することが大事です。
2、開業資金の決定
自己資金だけでやる場合は予算配分に移ります。
借金もいとわない場合は、まず規模から決定しそこから逆算して借入額を決定しなければなりません。
3、カフェの場所の決定
いい場所は高いです。選定には次のような場合があります。
1、自宅を改造して始める。
最近流行りの古民家カフェなどもこの種類ですね。とにかく家賃の要らないことが最大のメリットですが、それ相応な自宅を所有していることが条件です。
もしくは自宅新築を機についでにカフェも始めようという方もおられるかもしれません。自宅新築と同時にカフェの内装も一挙にやってしまえば経費も安く済む可能性はあります。
しかし、自宅新築だけでも大変なのに同時にカフェの準備もするという事は相当な覚悟と努力が必要です。
2、居ぬきを探す。
設備やインテリア、家具内装までそろっているものもあります。条件次第では最も安くつく場合もあるでしょう。しかし自分のコンセプトを生かすような自由度には制限があります。
また前経営者がなぜ廃業したかも気になります。もともと集客の難しい立地かもしれません。
3、テナントを探す。
立地条件がいいところは家賃もそれなりに高いのは当然です。まず人通りがなければ集客は難しいでしょう。
ヒットメニューがあったり、コンセプトが評判になれば、わざわざ探して来店してくれたり、スマホの検索からの来店も望めます。
開業資金としては最も高額になる開業ですが、テナントの場合、スケルトン状態のものもあれば、空調設備がすでに完備されている場合もあり運次第というところもあります。
4、事業計画書を作成する
さて、この辺までくると大体のイメージが出来上がったのではないでししょうか。
最初の作業は先ず事業計画書を作成することです。
漠然と、頭の中だけでカフェを始めると思っていただけではいつまでたっても実現しません。
事業計画書といってもそんなに堅苦しい書式の物ではありません。
つまり決めなければならないことを下のように書いていくだけです。
まずはコンセプトを決めましょう。対象年齢、男性ウケする店か女性向きの店かなど自分のやりたいものをまず決めてから以下の物を決めていきます。
1、場所
自宅の場所によって出店場所は限られます。もしくは住居込みの店舗を作るか、借りるかになります。
2、座席数
希望数でなく、実際の店舗の広さと従業員数によって決まってきます。
3、メニュー
この時点で詳しいメニューを作る必要はありません。
いわゆる飲み物とスィーツ的なものだけのカフェなのか軽食も加えるのかランチタイムを設けてサービスランチ的なものを出すのかなど。
また酒類の販売の如何によってもメニューは変わってきます。
4、人員
家族経営か従業員を雇うのか
5、禁煙、喫煙、分煙の選択
2020年より受動喫煙法により原則禁煙となりますが経過措置として喫煙も選択できますが将来は屋内禁煙になることは確実です。
できれば禁煙を選択する方が賢明でしょう。店舗の掃除も楽です。
6、営業時間
人通りや、駐車場の有無、酒類の有無などによっても時間帯が決まってきます。すべて、コンセプトによって決まります。
7、コーヒーは手淹れかマシンかサイホンか。
手淹れに越したことはありませんが、軽食メニューを取り入れている場合はいちいち手淹れ等する時間はありません。
コーヒー専門店で飲み物とトーストぐらいのメニューなら可能です。
マシンも最近は手淹れに近いドリップができるものも出来ていますのでマシンだから不味いという事はありません。
ただ、できればまとめて淹れるよりその都度、淹れる方がおいしいです。
だいたい現在思いつくのはそのぐらいです。ですが開業まではまだまだ膨大な決め事が待っています。
しかし、一番問題なのは技術的な面と知識です。コーヒーの入れ方にしても、軽食の作り方も学習が必要です。
カフェ開業の専門学校もあります。男性や比較的年齢の高い方は専門学校へ通ってみるのもいいかもしれません。
女性なら一番確実な方法は一度カフェの従業員として働いてみることです。男性でも不可能ではありません。
私は実質的なオーナーとなる予定の娘に、約8か月間、某駅前のカフェで修行させました。収穫は大きかったです。
5、コーヒーの仕入れ先を決める
開業に最も力になってくれるのはコーヒーの卸業者です。UCCコーヒーとかダートコーヒーやキーコーヒーなど地元で展開しているコーヒー卸業者を一つ決め営業担当者に相談するといろいろ力になってくれます。
事実、私の娘の修行先もメーカー営業担当の紹介で受け入れてもらいました。一からカフェを開業するためには食材の仕入れ先、食器や家具から看板の設置までいろいろとわからないことがありますがその都度力になってくれます。
各社のホームページを見ていくと自社で養成所的なものを持っている会社もあります。
一度電話やメールをして会社の雰囲気を探ってみるのもいいですね。
長い付き合いになりますので慎重に選びましょう。
6.資格や届け出(申請)
必須
資格
カフェ開業に必要な資格は「食品衛生責任者」と席数が30名以上なら「防火管理者」の資格が必要です。どちらも1~2日の講習で取れます。
開業すると消防署から検査がきます。座席数が30名以上なら防火管理者の資格証の提出を求められます。また、火災報知機の点検報告も提出が義務付けられています。
届け出(申請)は以下の3つです。
届けや申請
飲食店営業許可申請」
保健所に営業許可をもらう申請です。「食品衛生責任者」の資格証や店の見取り図などが人ようになってきますので開直前になります。
保健所から検査に来ます。手洗い、食器等の収納、客室と厨房の隔壁など細かい規則がありますので、内装前に調べておきましょう。
「菓子製造業許可申請」
自家製の菓子やパンケーキなどを提供する場合は申請が必要です。
「開業(廃業)等届出書」
開業時に提出することになります。この届出をもとに保健所と消防署から検査に来ます。
出来れば持っていたい資格など
調理師免許など時間があれば取っておけばいいですね。
何しろ食べ物を他人に提供するわけですから、全くの素人というわけにはいきません。
養成学校もありますし通信教育でも取得可能です。最低1年はかかります。
養成施設を卒業する以外には2年以上の実店舗での実務経験があり調理師試験をうけて合格すれば取得できます。
また、日本能力開発推進協会(JADP)が認定するバリスタの資格やティースペシャリストといった資格を持っておくとその証明書を店舗に飾ることができお客にアピールで来ます。
資格も味の内です。これらは協会指定の認定教育機関等が行う教育訓練において、その全カリキュラムを修了した者に与えられます。
通信教育で自宅で取得できるので取らない手はありません。
さて、ここまでで一応、第一歩を踏み出した感じです。
これからは、計画を実際に形にしていく作業になります。
また別のページで・・・