よく「腰痛持ち」と自分のことを自覚している人がいます。
その腰痛はいつからですか?
腰痛は原因を見つけることが治すこと
腰痛を感じている人は年代別に統計すると
40代で35.7%
50代で36.9%
60代で30.1%
と言われています。
労働と老化が重なってしまう50代が最も多いのはわかる気がします。
ただ、腰痛持ちという自覚はかなり危険です。
周りにもいるから仕方ないと思っていませんか?
腰痛にはさまざまな原因があります。
中には大変な病気が隠れていることもあります。
腰痛の原因を挙げてみましょう。
腰部捻挫、筋筋膜性腰痛症、椎間板ヘルニア、腰部筋肉の挫傷、変形性腰痛症、腰椎すべり症、腰椎分離症、内科的疾患による内蔵体壁反射
がんの転移、その他
ざっと上げただけでもこれだけ考えられます。
まず、自己診断してみましょう。
結果1:外傷性の可能性が高いです。腰部の捻挫、腰部支持筋肉の挫傷、足にしびれ等の神経症状がある場合は椎間板ヘルニアなどが考えられます。
とにかく安静にして動けないほどの痛みがあれば動けるようになってから整形外科を受診しましょう。
結果2:外傷性が考えられますが、腹筋力や背筋力の低下により腹圧が低下していることが予想されます。腰のだるさや鈍痛などの予兆は筋力の低下によるものだと思われます。
とりあえずは安静にして痛みが取れたら軽い運動から始めて、筋力アップまで持っていきましょう。
結果3:外傷性以外の変形性の腰痛症、腰椎のすべり症や分離症などが進行し悪化した可能性があります。すぐに整形外科に受診しましょう。
結果4:外傷性以外の変形性の腰痛症、腰椎のすべり症や分離症などの初期症状の可能性があります。内科的疾患によることも考えられます。長引くようでしたら病院で受診しましょう。
結果5:内科的疾患の関連痛も考えられます。自発痛(安静にしていてもうずくような痛み)がある場合はすぐに病院で受診してください。
結果6:仕事や生活習慣による腰部支持筋肉の緊張と疲労から痛みを生じているこ生じていることがほとんどです。
また運動不足により腹筋や背筋といった腰を支える筋力が低下し体重を支えきれなくなっている可能性もあります。
年齢によっては腰椎の変形などによる症状が慢性化していたり、足にしびれやマヒが現れた場合は脊柱管狭窄症といった病気も考えられます。
仕事で重いものをよく持つ、座っていることが多いなどの職業的な原因で病院へ行くほどでもない慢性的なよくある腰痛もあります。
治ったり痛くなったりを繰り返す場合腰を支える筋肉を鍛えることで症状を改善することができます。
腰痛ベルトなども一時的には有効ですが長期になるとリスクを生じます。
腰痛ベルトについてのリスクは下のページで説明しています。
慢性的な腰痛に冷湿布は厳禁
シップ剤は湿布と書くように湿った布が気化熱を奪って患部を冷やすためのものです。
捻挫や打撲、骨折などの急性期に患部を冷やして血流を少なくし、内出血を防ぐためのものです。
ですから冷湿布は急性期に使うもので慢性なものに対しては逆効果になります。
慢性的な腰痛は逆に温めることで血流を促し筋肉の緊張や痛みを取っていかなければなりません。
鍼治療が慢性的な腰痛に有効
働き盛りの人は腰痛を感じながらも市販のハップ剤や塗布剤、マッサージ機などで仕事をつづけている人が多いです。
病院のリハビリに通う暇はありません。東洋医学的なハリ治療もこういった腰痛にはよく適応します。
しかし、なかなか鍼灸院の敷居は高いのではないでしょうか?
実は自宅で簡単に鍼治療ができるものがあるのです。
あとはツボさえわかれば自宅で簡単に鍼治療ができます。
自宅で簡単にハリ治療ができる円皮鍼
もともと鍼灸には皮内鍼療法というものがあります。
これは弱刺激療法というものが基本になっていて皮膚のツボに弱い刺激を常に与えることによってその周辺の深部の痛みを緩和しそれにより筋肉の緊張を取ることができるのです。
これは、プロが使う皮内鍼で、絆創膏を使って皮膚に固定します。皮ふにほぼ水平に刺入します。これはちょっとテクニックが要ります。
ハリの太さは0.14mm日本人女性の髪の毛の太さより若干太いぐらいです。長さは針が3mm差し入れの長さはは症状によって調節します。
一方家庭で簡単にできる、皮内鍼が鍼灸メーカーから販売されています。これは円皮鍼といいます。プロでも使うことがあります。
上のものより使い勝手がよく施術が簡単で同じ効果が望めるので最近の鍼灸師はほぼ円皮鍼を使っているのではないでしょうか。
下の画像が円皮鍼です。いわゆる押しピン型ですね。
ハリの太さは0.22mm ハリの長さは1mmと1.1mmがあります。0.1mmの長さの差が刺激の強弱になります。
家庭用では下のようなテープがついていますので簡単に施術できます。
腰痛に効くツボ
さて、それでは腰痛には円皮鍼をどこに貼るかを書いていきます。
円皮鍼は急性期の筋肉痛にもよく効きます。特に圧痛が浅い場合。痛む場所が皮膚からあまり深くない場合には著効を示します。
痛む場所を中心に5~6個どの円皮鍼も他の円皮鍼から1cm離れるように貼ってください。
まず背中のツボから説明します。陽関
陽関(ようかん) | 第四腰椎棘突起と第五腰椎棘突起のの間。棘突起というのは背中の中心線上でにごつごつと飛び出た突起です。骨盤の一番上のラインを探して左右の先端を結ぶとちょうど第四腰椎棘突起と第五腰椎棘突起のの間になります。 |
大腸兪(だいちょうゆ) | 陽関の両側約3cm、鍼灸では親指の幅を1寸とし1寸は約3cmとしています。古い表記では陽関の外側1寸半となります。 |
小野寺氏臀点(でんてん) | 内蔵体壁反射の圧痛点として有名、胃潰瘍と十二指腸潰瘍の反射圧痛点です。腰痛治療のツボとしても有効です。骨盤の一番上の先端から3cm下にあります。 |
腎兪(じんゆ) | 第二及び第三腰椎の棘突起の間の外側3cmにあります。陽関で第四腰椎棘突起がわかりましたのでそこから上へたどってみてください。 |
京門(けいもん) | 腎兪の外側で第12肋骨(第11,12肋骨は浮遊肋骨と言って胸の前で胸骨にはつかず先端が手で触れます。探してみると案外簡単に見つかります。)の先端にあります。 |
脾兪(ひゆ) | 大一腰椎から数えて2つの上と3つ上の棘突起の間の外側3cmにあります。脊椎の棘突起の位置を求めるのが鍼灸の基本となってきます。 |
次髎(じりょう) | 第五腰椎の下には仙骨があります。仙骨にも棘突起のような突起がありその両側にくぼみが縦に4つあります。上から根番目のくぼみが次髎です。 |
腹部のツボ
中脘(ちゅうかん) | おへそと胸板の骨(胸骨)の一番下との真ん中にあります正中線上 |
大巨(たいこ) | おへその下約4cmの外側約4cm |
遠隔ツボ
腰部とはかけ離れた場所にあるツボをご紹介します。特効的なツボで不思議に腰痛がなくなります。これが鍼灸の醍醐味です。
以上のツボはプロの鍼灸師が施術で使うツボです。
実際、家庭で行う場合はプロのような取穴はできません。ツボを特定することを取穴といいます。取穴にはけっこう修行的な経験が必要です。
一般の方が行う場合、腰痛の基本的なツボは背中の真ん中の正中線から外側約3cm離れた腰椎の棘突起の間の高さに両側に円皮鍼を貼ってください。
数打ちゃ当たる的な貼り方ですが結構的を得ていますのでやってみてください。
ユニコの円皮鍼
私が特にお勧めする円皮鍼は日進医療株式会社のユニコ円皮鍼です。
このメーカーは鍼灸師の業務用のアイテムを製造販売しているメーカーで信頼性は保証します。
円皮鍼の貼り方
まず消毒用アルコールを用意してください。できればエタノールがいいです。皮ふといえども一応体内に刺しますので雑菌は極力避けましょう。
ティッシュなどに吹きかけるか染ませて貼る場所を拭いてください。
皮ふが乾くまで待つか清潔ティッシュなどで液体を完全に拭き取ってください。
液体が残っていると円皮鍼を保持するテープがはがれやすくなります。
全く痛みのない円皮鍼を刺すコツ
上の画像は腰腿点に円皮鍼を貼ったものです。
一見場所的に痛そうに見えますが全く痛くありません。
ヒトの皮膚はどこを刺しても痛みがあるということはありません。
皮ふには痛点という痛みを感じる感覚点が無数に散らばっています。
しかし面ではありませんので痛点の隙間は存在します。
試しに針で軽く皮ふを突いてみてください。痛くない場所があるはずです。
円皮鍼の針の太さは髪の毛の3倍ほどありますが針先は髪の毛の数十分の一ですから容易に痛点の隙間に刺さります。
切皮といいますが針先が皮膚を刺す場所に痛点がなければ全く痛みは感じません。円皮鍼を刺してみて痛いようでしたら少しだけ場所を変えてください。
1mm以内で結構です。刺した時に痛い場所は貼っている間中痛みを感じます。まあ、そのほうが効果があるといってわざわざ痛みのある場所に刺す方もおられます。
痛いといっても当然そんなに耐え難い痛みではありません。インフルエンザの注射に比べたら蚊が刺したぐらいです。
おおむね3日ほどで除去してください。消毒しているとはいえ入浴などで雑菌が刺入部に入ることもあり軽く膿む場合もありますがほんの少しです。
一旦取ったら。まる1日は中止してください。皮ふを休める時間も必要ですし、円皮鍼は取ってからもある程度効果は持続します。
最後になりますが、お勧めの円皮鍼をご紹介します。アマゾンですから安心して購入してください。