前記事でタイルについた鉄錆がサンポールで簡単に取れた話をレポートしました。
タイルがきれいになって喜んでいたところふと、もらい錆じゃなくて本体の錆も落ちるのではないかと当然のことを思いつき試してみることにしました。
そこで鉄錆を探したのですがいざとなるとなかなか見つかりません。
たまたま倉庫わきに置いてあったアルミ梯子を見つけました。
アルミ梯子ですから鉄錆はあるわけもないのですがよく見るとアルミ本体の可動部分に使ってあるシャフトが鉄製らしくその頭が錆びています。
これはまさしく鉄錆!
錆びてないものもあるのですがもともとカバーを掛けて雨ざらしだったのでので雨水がかかる部分とそうでない部分との違いかと思われます。
鉄錆の原因はやはり水です。
鉄は酸素と水によって酸化され酸化鉄Fe2O3となります。これが錆の成分です。
ですから鉄に水は禁物なのです。
かといって空気中にも水は水蒸気として含まれますから鉄はいずれ錆びるものと思わなければなりません。
そのために鉄部分は錆止めコーティングしたり塗装したりするわけです。
サンポールの主成分は塩酸(9.5%)
酸化還元ということを学生時代に習いましたが酸化した錆は還元すればなくなるように考えられますが、サンポールの主成分は塩酸です。
鉄を酸化させる液体なのです。
これでなぜ錆が落ちるのでしょうか。
実はサンポールで錆がなくなるのは錆が元に戻るのではなく錆を水溶性のものに変換して錆を溶かしてしまおうというものなのです。
Fe203 + 6 HCl → 2FeCl3 + 3 H2O
ここで錆Fe203は全く身時に溶けませんが塩酸によって塩化した2FeCl3は水溶性なので水に溶けだして錆が取れるわけです。
ですから注意しなくてはならないのは処理した後は塩酸の成分を完全に取り除かないとすぐに鉄の酸化が始まり錆が出てくるということです。
このためには重曹水で塩酸を安定な物質に変えてる必要があります。
HCl+NaHCO3(重曹水)→NaCl(塩)+CO2+H2O
重曹で処理したそのあと、水で塩も洗い流しましょう。
NaCl(塩)自体は錆には関係ないのですが塩分が残っていると錆のもとになる水を空気中から調達する作用があるので錆を助長するのです。
それでは、実際にサンポールで錆を溶かして取り除いてみましょう。