ツボとは本当にあるのか
中国を中心に古代から東アジアでは西洋医学とは一線を画した鍼灸や漢方薬などいわゆる東洋医学が主流でした。
これらの医学は経験則に導かれた治療体系で効果は認められるものの科学的な実証がされない事柄も多く存在します。
特に経絡や経穴という概念は2千年も前に体系化されたものであって近代施術者の多くは何とか鍼灸に科学的実証を得て、その有用性を世界に知らしめたいと願ってきました。
経絡はは自律神経によるものであると結論付ける研究者もいます。
また目に見えない気の流れが経絡であるとし、それはそもそも実証できる領域の現象ではないという立場を取る方もおられます。
人体には神経系、血管系、リンパ系以外にもっと微細な流れがあることを発見したという北朝鮮の研究家の発表は一時期世界中で一世を風靡したものでした。
しかしその説は追試実証が困難なうえ、理論的な矛盾を抱え、いわゆる捏造による研究発表だとされています。
ただ、医学的に証明されているツボというのもたくさんあり、経穴経絡自体の正体が今後劇的に解明されることも十分に期待されます。
例えば人迎というツボは喉ぼとけの両側にありこのツボは血圧を下げる効果があるとされています。
実はこのツボの奥には頸動脈洞という頸動脈の分岐点がありそこには圧受容体がありこの部分の刺激により舌咽神経、迷走神経反射が起こり血圧が下がます。
経穴経絡にこういったツボが存在する以上、ツボというものを安易に否定してはなりません。
明治時代には鍼灸は非科学的なものとして禁止する法律が成立しようとしたこともありました。
鍼灸関係者は経穴、経絡に科学的実証を見出そうと多くの研究者の方が努力されてきました。
その過程で皮膚電気抵抗の減弱点が経絡のツボの由来であるいう画期的な説が提唱されました。
内臓体壁反射がツボの有力な証拠となりうる
内臓体壁反射(内臓皮膚反射)という生体反応があります。
皮膚など、体の表層のある部位を刺激すると感覚神経が刺激されると同時にその部位の自律神経も刺激され、その自律神経が支配する内臓に何らかの影響が加わるというものです。
また逆に、内臓に異変があると自律神経を介して特定の部位の皮膚に電気抵抗の減弱が現れるのです。
その部位をに皮電点といい交感神経の興奮部位になります。
実際、多くの研究者が下の画像の様な測定器を使って様々なケースに沿って皮電点を計測した結果、皮電点の位置は経絡、経穴とかなりの部分で一致することが実証されました。
この皮電点は計測だけではなく、皮膚内臓反射という全く逆の生体反応で皮電点を刺激することにより自律神経を介して内臓への治療にもなるとされ、現在の鍼灸治療の有力な根拠とされています。
私としては、科学的根拠が鍼灸の存在理由のすべてではないと思っています。
科学的証明のなされていない事象は数多くあります。
今まで知られていない未知の何らかのパワーが存在する可能性は否定できません。
かつて量子力学の二重スリット実験で電子が粒子であると同時に確率波であることが発見されたように世界には一般凡人には理解できないようなしくみがあるのかもしれません。
便秘に効くとされるツボ
ところで、本題の便秘に効くツボですが。
特効穴として次のツボが挙げられます。
鍼や灸で治療するとされていますが指で押さえながらマッサージをしても効果が望めます。
神門
小指側の手首のふくらみ(突起)と手との間のくぼみで手を手のひら側に曲げた時にできる一番深い皺(しわ)の小指側の端っこ。
大腸兪、便通穴
大腸兪は解剖学的には第4~5腰椎棘突起間の外側約3cmとされています。
棘突起とは前かがみになった時に背中の中心に現れるたくさんのこぶの事ですがなかなかどれが第4番目で5番目なのかわかりにくいと思います。
腰を触って下の画像の左右の青〇のあたりに後上腸骨棘といって一番飛び出た骨が触ります。その突起を結んだ線の中央で1cmほど上にある突起が第5腰椎棘突起になります。したがってその上の突起が第4腰椎棘突起です。
その棘突起の間のくぼみの中心から人差し指と中指を合わせた巾だけ外側に大腸兪穴があります。
便通穴は腰を触って骨盤の縁が分かったらその縁の一番高いところで骨盤の縁の外にあります
腹結
おへその真ん中から真横に人差し指から小指まで指4本分真横の外側のポイントから下に約1cmのところにあります。
手のひらを当てて測るとわかりやすいです。
※画像では距離感がおかしいですので注意してください。
治療
自分で指圧したりマッサージしてみるのもいいです。
実際私がリハビリで勤務していたころは腰のリハビリで通っていた方(特に女性)が腰の治療をしたら便秘が良くなったという方が結構おられました。
腰の治療によって便秘のツボが刺激されていたのでしょう。
最寄りの鍼灸院を訪ねてみるのもいいかもしれません。
治療だけでなく生活指導などもしてくれると思います。
また下の商品は自分で鍼(はり)ができるものです。ツボさえ正確に取れれば自宅でハリ治療ができます。
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鍼(はり)が怖いという方は下の様なツボに貼って刺激するタイプの物もあります。
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